市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
『ショート怪談』
ショート怪談について(4分)
最初は7話ほど、ショート怪談をしゃべろうと思う。私の語る怪談は短い話が多いが、このショート怪談は、ページにして1ページに満たない話ばかりである。まずはその、ちょっとした解説から。
福顔(3分)
その大学生は実家から通っていた。父は単身赴任で家にいない。高級カメラを買ったこの大学生に、母は「家族で写真を撮って、パバに送ろう」と言いだした。そう言われ撮った写真なのだが…。
会釈(2分)
マンションの上階に住んでいるMさん。いつものように一階にエレベーターで降りた。扉が開くと、そこにはたまに見かけるおばあちゃんがいた。お互い会釈をして、すれ違うようにおばあちゃんはエレベーターに乗り込んでいったのだが…。
マニキュア(3分)
サラリーマンのUさんが出張先の京都のホテルに泊まった時のこと。夜遅くにホテルに戻り、エレベーターに乗り込んだ。部屋は4階。降りて部屋へ向かって歩き出すが、背後にあるエレベーターに強烈な違和感を感じ、振り返った。違和感は当たった…。
灰色(3分)
真夏の炎天下。都内の坂道を一人歩いていたOLのA子さん。人通りは他に無かったのだが、背後からハイヒールの音がついてきていることがわかった。早足で歩くとそれは早足となり、遅く歩くと遅くなる。延々付いてくるその音に勇気を出して振り向いてみると、目の前に…。
助けて(3分)
OLのMさん。通勤で使う地下鉄のホームに立っていた。しかしいつもは朝の通勤ラッシュで賑わう時間なのに、今日はほとんど人がいない。時間を間違ったのではと、自分を疑うほどだった。そこに電車が入って来た…。
ありがとな(3分)
友人の兄が亡くなったと聞いたMさんが、お通夜に参列した。親しくしていた人との別れはショックでもあった。ところがそこで不思議なことに遭遇する。寺のトイレに用を足しに行くと、そこに、亡くなった兄がいた。しかも彼はMさんを見て…。
桜(3分)
女子大生のSさんが久しぶりに実家に帰った時のこと。昨年亡くなった、おばあちゃんの仏前にお線香をあげると不思議なことが起こった。そのお線香の煙が…。
鏑矢(かぶらや)(4分)
私の故郷は兵庫県朝来市竹田である。標高350メートルの戦国の山城跡がある。毎年ここで、豊穣を祈祷する行事が行われ、鏑矢を放つのである。ある年も矢が放たれた。すると信じられないことが起こり…。
マンションコンシェルジェ(7分)
マンションで一人暮らしをしているある女優は猫を飼っていた。ある日エレベーターで一階に降りると見られぬマンションコンシェルジュ風の男たちがいた。その瞬間なぜか「あ、うちの猫、死ぬな」と思ったという。するとその勘が当たり、猫は翌日死んだ。その後も彼女は、何度かこのマンションコンシェルジュ風の男たちを見かけ、その度に不幸が起こる…。
学生帽(8分)
期末試験真っ最中の3月10日。女子高生のAさんは、近所に住むおばあちゃんの家で勉強をしていた。そのおばあちゃんが買い物に出かけた夕方、気が付くと襖が開いていて、学生帽、学生服姿の男の子が体育座りをしていた。そこにおばあちゃんが帰って来て…。
雲と天(13分)
私の教え子が「私の家系はもう滅びます」と言ってきた。彼女の生まれる前のことだという。ある日、虚無僧が家の前に立って「この家は滅ぶ」と言ったのだ。そして滅ばないよう、アドバイスも言った。だが家の者は信じなかった。すると次々と家の者が伏せって亡くなっていったのだった。その原因は仏壇の上にあり…。
雲と天についての補足(10分)
神棚と仏壇は家の中における聖域であることは、日本人、日本家屋の常識だった。しかし現代ではマンション、アパート、集合住宅とその聖域を設置することが難しくなり、そういう心も失われつつある。神棚と仏壇があるからには、聖域を守るルールを知らなければならない…。
踊り子(9分)
Oさんと言う女子大生が、一人部屋でテレビを見ていると、二階から不穏な音が聞こえてきた。確かめに上がってみるのだが何もない。そんなことが続いた。しかしある日。白い衣装の白人のバレリーナが二階で舞っているのを目撃し…。
赤い帽子(5分)
スイス土産にと、友人からマッターホルンの大きな写真をもらったKさんは、それをリビングの壁に飾った。するとたまに、そのマッターホルンから赤いトンガリ帽子、赤い衣装の小人が現れるようになり…。
手探り(16分)
Mさんという女子高生が、本棚の整理をしていて、誤って貯金箱を床に落としてしまう。バラバラに割れて硬貨も飛び散ってしまったその夜中のことである。汗臭い臭いで目が覚めた。そこに白い坊主頭をした人がいて、両手を床に這わせ何かを探しているようなのだ。ビックリしてお父さんを呼ぶが…。
手袋(13分)
Tさんという女性が、上司のNさんと恋愛関係になった。それを知った同僚の女性が「Nさんはよくない。やめとき」と忠告してきた。理由を聞くと、Nさんは生霊をとばすのだという…。
201号室(16分)
仏教系大学に入学したKさんは、寮生活をすることとなった。その初日、寮監から「ここ、幽霊出るからな」と言われる。実際ここではそんな噂を聞いていた。ある夜、Kさんが寮に戻り自室の窓に電気が点いており、なんと窓から赤い長襦袢姿の女が、Kさんに向かって手を振っていたのだった。Kさんは踵を返して友人宅に泊まったが、寮に関する歴史が掘り起こされると…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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