市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
序章 (4分)
中山の元に送られて来た音声ファイルが添付された一通のメール。ここに録音されたものはある男の実体験であると書かれていた。
聞いてみると奇妙な事件が語られていて…。
第1章 非通知の電話 (24分)
シンジという若い男の元に掛かって来た真夜中の電話。非通知だったがシンジはその電話に出てみた。無言電話。
悪戯か間違いだと思って切るが、この非通知電話はその後毎夜のようにかかってくる。
そのうちこの電話の相手がYūkoという得体の知れない若い女性であったとわかる。
第2章 殺します (16分)
シンジには恋人がいたが、Yūkoはそのことを知りつつも告白してくる。どこの誰ともわからないYūkoという女。
恋人がいるから、と断ると、Yūkoは彼女さんを殺しますと宣言する。
第3章 着信拒否(32分)
殺人はならなかったが、Yūkoは全てを知っていた。シンジの行動も恋人の行動も。しかも今、何をしているのかも。
唯一のつながりは非通知でかかってくる電話。ところが非通知着信を拒否設定にしても電話はかかってくる。携帯電話のキャリア側でブロックしても…。
第4章 持たない (9分)
いかにしてもYūkoからかかってくる電話は拒否することが出来ない。そこでシンジは携帯電話を一切持たない生活を送ることにする。
しかし…。
第5章 他人の電話 (9分)
深夜までかかった仕事を終え、終電を逃したシンジたち数人が先輩の車で送ってもらうことになる。その車中、「なんでシンジは携帯電話を持たないの」という話になった。そこでシンジは初めてYūkoからかかってくる不可思議な非通知電話の話をしだす。すると先輩の携帯電話が鳴り…。
第6章 一晩のあやまち (5分)
得体の知れないYūkoという女。彼女は物理の法則を超えたところにいる、としか思えない。ただ、彼女も普通の若い女であることも垣間見れる。
ある時、お酒を飲んで男と寝たと思われる告白を聞く。しかしYūkoはその男を…。
第7章 分析(12分)
シンジは音声分析の専門家に会うことにした。Yūkoからかかって来る電話の科学的分析をしてもらうためだ。
信じられない結果が出た。
第8章 別れ(14分)
シンジはやがて恋人と結婚し、そのころからYūkoからの非通知電話はかかってこなくなった。
月日が経ち、離婚をすることになったある日、またしても非通知電話があった。
Yūkoだ。彼女は驚くべき言葉を投げかけるのだった。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
|