市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
テントの凹み(10分)
山岳部のメンバーで南アルプスに登ったAさん。二日目の朝。朝食を食べ終わるとY君が聞いて来た。「昨夜、妙なことなかったか?」。
Y君は、昨夜妙なテントの凹みができていたというのだ。しかもその凹みは…。
山をあなどってはいけない(11分)
専門学生のO君が、クラスで奈良の山に登った。その帰りに女子と先生はバスで、男子は歩いて駅へ向かうことになった。別れ際に先生が言った。
「山をあなどってはいけないよ。どこへもよらずにまっすぐ駅に向かいなさい」と…。
屋島の散歩道(20分)
銀行員のAさんは毎朝、寮からすぐアクセスできる屋島への登山道から往復1時間ほどの登山をはじめた。ところが迷うはずのない登山道で迷ってしまった。
夜になり洞窟の前にたどり着いたのだが、人もいないのに真っ暗な洞窟の中から何やら人の話し声がする。そこは自殺の名所であり、しかも…。
夜中に出る人(17分)
ある人が小4のころの記憶。当時、その親子は和室で3人川の字で寝ていたという。ところがある夜中、隣の化粧室のテレビが点いていて、そのブラウン管の光を受けた見知らぬ女が鏡台の椅子に座っていた。
そして以後、夜ごとに出てくる怪しげなモノの数が増えていき、そして…。
金縛りの正体(12分)
精密機器を扱っているTさんが、ある人から相談を受けた。毎夜金縛りにあって首を絞められるという。金縛りのメカニズムは科学的に解明されている。そう言って安心するように言うが納得しない。
そこで赤外線カメラを渡して一晩寝姿を撮影するように促した。翌日回収して観てみると映っていたのだ…。
旧家の夜(18分)
京都の大学に通うAさんが、北京都に住んでいる友人の家に泊まりに行ったときのこと。そこは旧家で広い和室に一人寝かされ、恐ろしい体験をする。
翌朝、朝食時に友人にそのことを耳打ちすると意外な言葉が出た。そしてその言葉に家族も反応した。Aさんは夜中と朝、2度恐ろしいものを見たという。
空耳(13分)
Sさんが同僚の後輩と銭湯に行った。お互い裸になったところで「珍しいもの見せましょか」と後輩が言う。見るとそれは足の親指と人差し指の間にできた髪の毛のある小さな頭のようなもの。
同時に何か声が聞こえた。後輩の声でもないし脱衣所には般若の刺青を背に彫った老いた男がいるだけ。ところが後輩は湯船の中でとんでもないことを思い出す。
ベランダ(10分)
名古屋のマンションに引っ越したHさん。内見時に臭いが気になったがそれは風通しの問題だと思っていた。しかし生活をつづけているうちにその異臭がひどくなっていく。
ドブの臭いが消えないのだ。ところがある夜、その臭いの原因となるものがわかった。それはベランダに…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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