旧約聖書5 聖書協会共同訳＜エレミヤ書～マラキ書＞

[オーディオブック] 旧約聖書5 聖書協会共同訳＜エレミヤ書～マラキ書＞

日本聖書協会
パンローリング

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1311分 184ファイル 2023年12月発売
本体 2,500円税込 2,750円

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内容紹介

本の中の本と称される聖書。聖書は多くの人の手によって書かれた、神と人間との歴史における出会いの物語です。今から3000年ほど前の紀元前10世紀頃にその最も古い部分が書かれ、紀元後2世紀に最後の書が書かれました。今では世界各国の言葉に翻訳されており、中でも「聖書協会共同訳」は最新の研究結果のもと、拡張高く美しい日本語で訳された新しい翻訳です。
聖書は大きく旧約聖書と新約聖書に分けられます。ユダヤ教の教典でもある旧約聖書は、天地創造に始まり、イスラエル民族の歴史物語や詩、ことわざ集など、さまざまな種類の文章から成っています。
この「旧約聖書5」には、エレミヤ書からマラキ書までが収録されています。

【エレミヤ書】(52トラック・1363節・441分)
エレミヤ書には、ユダ王国末期、5人の王たちの治世にわたり語られたエレミヤの預言が記されています。エレミヤの存命中、弱小国であったユダ王国は、東方のバビロニア帝国に攻め込まれ、指導者をはじめとして多くの民が捕囚となりました。しかし、エレミヤの預言の主題が示すのは、ユダ王国の崩壊以前は滅びであり、崩壊後は希望というものでした。そのため、エレミヤにとって、ユダ王国の敗北は、神の計画の終わりではありませんでした。捕囚の民に向かって、神は将来神の民と新しい契約を結ぶという慰めと希望の言葉を預言者エレミヤは告げています。

【哀歌】(5トラック・154節・41分)
5章から成る哀歌は、各章が一編の詩になっている詩集です。これらの詩は、ユダ王国の滅亡とバビロニア帝国への捕囚という悲劇を目撃した人の視点で書かれています。しかし、哀歌の詩の中には、深い悲しみと多くの嘆きだけでなく、希望と恵みの信仰も見られます。そのため、キリスト教では、復活祭直前の1週間（受難週、聖週間）の礼拝で哀歌の一部を朗読する伝統があります。

【エゼキエル書】(48トラック・1273節・253分)
エゼキエル書は、幻、預言、象徴的行為がすべて預言者エゼキエルの視点から、第一人称「私」で書かれています。ユダ王国の滅亡とバビロニアへの捕囚という、イスラエルの民にとって恐ろしい出来事をどうして神が許されたのか、という疑問に、エゼキエルが見た幻と預言は答えようとします。この書の構成は大きく二つに分けることができ、前半でユダと諸国に対して裁きと破滅の宣告、そして、後半では神がユダを回復させ、神の民に希望に満ちた将来をもたらすことが、それぞれエゼキエルの口を通して語られています。

【ダニエル書】(12トラック・357節・121分)
ダニエル書は神の民に希望と励ましを与えるために書かれました。バビロニアに連れて来られたダニエルとその友人たちはバビロニア帝国の王に仕え、迫害を受けるときにも神に忠実であったことから、ユダヤ人にとっての模範とされました。また、ダニエル書は預言であり、黙示であるとも言われています。黙示は、象徴や視覚的表現を多用して出来事の背後にある意味を示す文学様式で、ダニエル書は神が神とその民の敵に勝利することを黙示的に描いています。

【ホセア書】(14トラック・197節・62分)
ホセアは、「主（ヤハウェ）は救った」という意味のヘブライ語、ホシャイアの短縮形です。ホセア書で、預言者ホセアは、イスラエルとユダの人々をエジプトの奴隷状態から救い出し、土地を与えるという約束を守った神に忠実であるように、と人々に訴えました。しかし、人々は他の神々を拝むという罪を犯し、イスラエルの指導者たちも神に頼らず、軍事力と他国との同盟に頼って国を守ろうとしました。ホセアは、神を裏切ったイスラエルの人々は罰を受けると警告しますが、最後には、神に立ち返るものは赦されると語ります。

【ヨエル書】(4トラック・73節・20分)
預言者ヨエルの名は、「主（ヤハウェ）は神なり」という意味を持ちます。4章から成るヨエル書は大きく2つに分けられます。前半では、空を覆い尽くして太陽が見えなくなるほどの無数のばったが、神の軍勢として襲来するさま、そして、神に心から立ち帰るようにというヨエルの勧めが書かれています。後半では、神がイスラエルの人々を救い敵を罰する将来の裁きの日について語ります。

【アモス書】(9トラック・146節・45分)
アモス書は、エルサレム南部の小さな町テコアの農夫であったアモスが、神からの啓示を受け北イスラエルの民と指導者に向けて語った預言の記録です。預言は前762年から750年の比較的平和だった時期行われたと考えられており、裕福な者や権力者が貧しい人々を搾取し不正な扱いをすること、そして偶像礼拝や神への不誠実さを痛烈に批判し、神の怒りを伝えます。この書は周辺国と南ユダへの神の裁きを前半部分で描き、後半に入るとイスラエルに対する裁きを、幻をもって語ります。しかし最後には神がイスラエル王国を回復される日が来ることを希望をもって伝えるのです。

【オバデヤ書】(1トラック・21節・7分)
旧約聖書の中で最も短い書でありオバデヤ書には章の区分がありません。「オバデヤ」は古代イスラエルでは一般的な名で「主の礼拝者」を意味しています。イサクの子、双子の兄弟の弟ヤコブは、兄エサウから長子の権利と祝福を奪い、報復を恐れ兄から逃れますが、後に和解を果たします。この書は、ヤコブの一族（イスラエル）とエサウの一族（エドム）の、後のモーセの時代から南ユダ王国の滅亡に至る長く続いた争いの一部を伝えています。預言者オバデヤはエドムに対して、天然の要害も、友好国との同盟も無力であり、将来神の裁きが下り、イスラエルが勝利することを告げています。

【ヨナ書】(4トラック・48節・13分)
ヨナ書は前587年から538年までのバビロン捕囚の時代、あるいはその後のイスラエルの状況を背景としていると考えられます。預言者の歴史的情報もなく、預言の言葉は3章4節にわずか1節だけしか書かれていません。この書は前722年北王国イスラエルを滅ぼし、十部族を連れ去ったアッシリア帝国の首都ニネベに、神の命令で遣わされる預言者ヨナを主人公とする物語形式で綴られます。イスラエルの敵を赦す神にヨナは怒りを覚えますが、これはイスラエルの民の一般的な思いを表すものです。しかしこの書には、神はすべての人に対して、敵にさえも愛と憐れみを示す神であることが示されています。

【ミカ書】(7トラック・105節・38分)
ミカとは、ヘブライ語で「誰が神のようであろうか」という意味で、預言者ミカ自身が言うように疑問文というよりは感嘆の言葉であると思われます。神に逆らい他の神々を拝み、貧しい人々を虐げている北王国の都サマリアと、南王国の都エルサレムの指導者と民を神は厳しく罰し、かつて神が先祖アブラハムやヤコブと結ばれた祝福と繁栄を約束した契約は破棄寸前の危機にあるとミカは警告します。ただしその一方で、罪を告白し神に頼るならば民を捕囚から解放してエルサレムに再び戻し、平和をもたらすとも預言します。この書は破滅と希望を交互に描き、イザヤ書との類似点も多く指摘されています。

【ナホム書】(3トラック・47節・12分)
ナホムとは「慰め」を意味する言葉ですが、この預言者については故郷エルコシュの地名以外ほとんど知られていません。悪行を改め神に赦されると語ったヨナ書とは対照的にナホム書は、アッシリア帝国の首都ニネベに迫る滅亡を厳しい裁きの言葉で語ります。強国アッシリアは前722年にイスラエルを侵略し、多くの人を捕囚として連れ去ります。また、ユダ王国にも1世紀にわたって脅威を与え、周辺の多くの国を征服し重税を課して苦しめました。ナホム書の構成は、前半は諸国をアッシリアのくびきから解放する神の力をたたえる詩で、後半はニネベ滅亡の預言で構成されています。

【ハバクク書】(3トラック・56節・16分)
ハバクク書は、預言者ハバククと、神との間で交わされる対話の記録と、ハバククの神への賛美と祈りと信頼の告白の二つにより構成されています。ハバククは神がイスラエルの民の背信を罰するために、より残酷な振る舞いをするバビロニアを用いることを、臆せず神に疑問を投げかけます。神に忠実な人物の祈りには、神への不平と賛美、疑問と信頼が共存していることがありますが、ハバクク書はその好例です。この預言書はバビロニアもついには滅びること、高慢な者ではなく信仰によって生きる人を神は受け入れること、試練にあっても神を賛美し続けることの大切さを示しています。

【ゼファニヤ書】(3トラック・53節・18分)
ヘブライ語で「主（ヤハウェ）は守る」という意味の名を持つゼファニヤは、4代前の先祖まで記された唯一の預言者で、ユダのヨシヤ王の治世初期に預言したと思われます。ユダの王ヒゼキヤの玄孫であり、ある程度財産と社会的地位のある人物であったと考えられています。ゼファニヤ書の主な預言は二つで、一つは「主の日」が近いこと、その日、神は民と指導者の不従順を罰し、民を救う、従って苦しみにあっても神を礼拝するよう訴えました。もう一つは戦争で散らされ、また捕囚とされていた民を神はユダに帰還させ、その新しい民に勝利を与え、神の愛で新たにするという希望でした。

【ハガイ書】(2トラック・38節・11分)
ヘブライ語で「祝祭」を意味するハガイは、バビロン捕囚からの帰還した後に神が立てた最初の預言者です。前538年ペルシアの王キュロスは帰還許可を与え、約4,000人が総督ゼルバベルとともにエルサレムに帰還し、破壊された神殿の再建に着手します。しかし、近隣の諸民族の妨害、食料と資金の不足から15年間工事は中断します。ハガイは民の苦難は、神殿再建を後回しにしているからであり、もう一度工事に立ち上がるならば、神は神殿を栄光で満たし、平和を与えると励まします。ついに工事は再開され、5年後に新たな神殿が奉献されました。ハガイがその完成を目にしたかは記されていません。

【ゼカリヤ書】(14トラック・211節・68分)
ゼカリヤ書には「終わりの時」に焦点を当て、苦難な状況下、神が将来、最終的な勝利を治めることを、幻、託宣、黙示などの文学様式を用いて語られています。また、神が自ら王として治める新しい聖なる都エルサレムが創造されることを示しています。捕囚からの帰還後、エルサレム神殿の再建事業を完成させようとゼカリヤはハガイと共に、民を励まします。神殿は礼拝の中心となり、新しい祝福の象徴となるものでした。新約聖書の福音書記者はゼカリヤ書を引用して、イエスが預言されていたメシアであることを示しています。そのほかヨハネの黙示録にもゼカリヤ書からの引用が多く見られます。

【マラキ書】(3トラック・55節・22分)
マラキ書は旧約聖書の12小預言書の最後の書です。ヘブライ語で「わたしの使者」を意味する「マラキ」は、著者の名とも、あるいは著者を神の「使者」としているとも考えられます。マラキ書が書かれたのは神殿再建後のエズラ、ネヘミヤの時代、前470-440年頃と思われます。神殿が奉献してなお、ペルシア帝国の支配で重税に苦しみ、旱魃、ばったの被害で飢饉に襲われ生活は苦しく、ユダに住む人々は宗教的指導者も含め、律法を守る熱意や神への信頼を失っていました。神とイスラエルの民の間で交わされる問いと答えを通じて、マラキは人々に神の愛を思い出させ、神に従うよう励まします。