新約聖書2 聖書協会共同訳＜ローマの信徒の手紙～ヨハネの黙示録＞

[オーディオブック] 新約聖書2 聖書協会共同訳＜ローマの信徒の手紙～ヨハネの黙示録＞

日本聖書協会
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775分 143ファイル 2023年12月発売
本体 2,500円税込 2,750円

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内容紹介

本の中の本と称される聖書。聖書は多くの人の手によって書かれた、神と人間との歴史における出会いの物語です。今から3000年ほど前の紀元前10世紀頃にその最も古い部分が書かれ、紀元後2世紀に最後の書が書かれました。今では世界各国の言葉に翻訳されており、中でも「聖書協会共同訳」は最新の研究結果のもと、拡張高く美しい日本語で訳された新しい翻訳です。
聖書は大きく旧約聖書と新約聖書に分けられます。新約聖書にはイエス・キリストの生涯と、その後の弟子たちの活動の記録、および初代教会の間で交わされた手紙などが収められています。
この「新約聖書2」には、ローマへの信徒への手紙からヨハネの黙示録までが収録されています。

【ローマの信徒への手紙】(16トラック・431節・101分)
パウロがまだ見ぬローマ教会に自己紹介をするために書いたのがローマの信徒への手紙です。当時、律法を遵守するユダヤ人キリスト者とそうではない非ユダヤ人キリスト者の間には、福音に関していくつかの意見の対立がありました。その渦中にあったローマ教会に宛てた長い自己紹介が、思いがけず神学論文とも言える彼の集大成を生み出しました。パウロは、福音の基はアブラハムと神の契約であるとし、モーセを通して与えられた律法の役割と、イエス・キリストを信じる信仰の意義を丁寧に述べます。そして福音はユダヤ人と異邦人の両方に救いをもたらす神の力であると宣言するのです。

【コリントの信徒への手紙一】(16トラック・436節・96分)
沿岸都市コリントの教会へパウロが教会の創設者として書き送った手紙がコリントの信徒への手紙一です。多文化都市に建てられたこの教会は、さまざまな文化の影響により論争と分裂が起こっており、これらの問題を解決するためにパウロはこの手紙をしたためました。この手紙からは、結婚や偶像への供物といった初期キリスト教徒たちが直面した問題などについて知ることがでます。また、あらゆる賜物の中で愛が最も大いなるものであるという霊の賜物についての教えや、神が死を打ち破り、信じる者に新しい命と霊の体を与えるという約束についても語られています。

【コリントの信徒への手紙二】(13トラック・255節・62分)
パウロが創設したコリント教会の中には、使徒としての彼の権威を疑問視したり、彼を批判したりする人々がいました。コリントの信徒への手紙二は、そういったコリントの信徒たちとの関係、特にパウロが自身への批判に応答した書です。パウロは使徒としての自らを弁明するとともに、他者を赦すことや、聖霊による新しい契約、キリストにある人の性質などについても語ります。さらにエルサレム教会をはじめローマ世界の各地におけるキリスト者を助け、惜しまず施すように信徒たちに勧めています。

【ガラテヤの信徒への手紙】(6トラック・150節・36分)
ガラテヤの信徒への手紙は、パウロが小アジアのガラテヤ地方にあった教会に向けて書いた手紙で、彼の性格と信仰、青少年期を知る手がかりにもなる書簡です。パウロは、非ユダヤ人は律法に従わなければキリスト者になれないと主張する人々に対し、律法にある食物規定や割礼といったユダヤの慣習に従わなくとも、イエス・キリストの真実によって新しい神の民の一員になれると訴えます。このように、この手紙は初期キリスト教の発展と主な論争を反映しており、キリスト教の基本的な教義を形づくった重要な文書の一つです。

【エフェソの信徒への手紙】(6トラック・155節・33分)
エフェソの信徒への手紙は、使徒パウロの他の書簡に見られる、キリスト教の重要な教えがまとめられた手紙です。執筆目的は明らかではありませんが、教会はキリストにおいて一つであることを強調する内容から、教会に分裂を引き起こそうとした人々がいたことが想像されます。この手紙は、キリストをどのように復活させたかに始まり、異邦人とユダヤ人を隔てていた壁をキリストが取り払って一つとしたこと、そしてキリスト者がそれぞれの賜物を用いて一つのキリストの体となることを教えています。そのほか、新しい生き方の倫理、家庭や仕事の場において神の民として生きるための具体的な指針が示されています。

【フィリピの信徒への手紙】(4トラック・104節・26分)
フィリピの信徒への手紙は、パウロが牢獄から送った手紙で、自らの困難な状況にもかかわらず、フィリピの信徒への深い愛情がにじみ出た書簡です。キリストの福音に忠実であることを願いつつ、同じく困難な状況下にあった信徒たちへの励ましが語られています。手紙では信徒たちからの助けに対する感謝の意を表す一方で、一部の信徒が議論していた、新しい神の民も律法に従う必要があるという主張に対しての反論も述べられています。この手紙に記された、苦難に立ち向かうパウロの信仰と言葉は現代に至るまで多くのキリスト者に勇気を与え続けています。

【コロサイの信徒への手紙】(4トラック・95節・21分)
エフェソ近郊の小さな内陸の町、コロサイの人々に宛てられたこの手紙は、キリストが誰であるかを語る美しい賛歌を含んでいることで知られています。著者はイエス・キリストに従い続けるようにコロサイの信徒を励まし、当時流布していた偽りの教えにだまされたり、多くの宗教概念や儀式に惑わされたりしないように諭しています。キリストの再臨について語ることの多いパウロ書簡では珍しく、キリストの十字架によって、神に敵対するすべての勢力が打ち負かされたことを強調します。そのほか、古い生き方の一部であった悪徳を捨て去り、慈愛、謙遜、柔和、忍耐、赦し、愛を持って生きることや、家庭訓なども語られています。

【テサロニケの信徒への手紙一】(5トラック・89節・21分)
テサロニケの信徒への手紙一は新約聖書の中でも最初期のものと考えられているパウロによる手紙です。使徒言行録には、パウロがテサロニケで長い間、働きながら宣教活動をしていたことが記されており、手紙の半分以上を感謝と祈りが占めていることから、パウロとテサロニケの信徒たちとの深い関係が見て取れます。手紙は感謝に始まり、信徒たちの信仰から生じる不安や質問に応える形で展開され、キリストの再臨に備えることや、神を喜ばせる生き方についても語られています。この手紙から、パウロの宣教活動の成果と、信仰がどれだけ根づいたかを見ることができます。

【テサロニケの信徒への手紙二】(3トラック・47節・12分)
テサロニケ信徒への手紙一からほどなくして書かれたのが、この手紙です。テサロニケの信徒たちは信仰と愛において模範的であった一方で、一部の信徒がキリストの再臨はすでに起こっているという偽りの教えに惑わされていました。パウロはそんなテサロニケの教会に向けて再度筆を取り、キリストが間もなく来ることは、今、労苦して働くのをやめる言い訳にはならないと、キリストの再臨とその備え方について詳しく語り、信仰を励まします。

【テモテへの手紙一】(6トラック・113節・26分)
テモテへの手紙一は、パウロから初期キリスト教会の指導者テモテに向けられた牧会書簡で、信仰共同体を組織するための基準や指針が多く書かれていることから、初期教会の指導者向けの手引きとして利用されたとも考えられている書簡です。パウロと共に宣教旅行を行い、使者としても活躍したテモテは、パウロにとっては信仰の息子のような存在でした。この手紙には真の信仰と偽りの教えについての警告や、指導者の選出や責任に関する指針などが記されています。

【テモテへの手紙二】(4トラック・83節・20分)
パウロからテモテに宛てて送られたこの手紙は、テモテの母と祖母の名前が述べられているなど、テモテへの手紙一よりも個人的な内容を含んだ手紙です。ローマ帝国による教会への迫害が強まっていた後1世紀では、パウロ自身も囚人生活を送っており、内容から近く死を予期していることがわかります。教会内で生まれたイエス・キリストの福音に反する教えを危惧し、パウロはテモテに対し、苦難や誘惑に耐え、真理を宣べ伝え続ける「良い兵士」としての役割を果たすよう励まします。

【テトスへの手紙】(3トラック・45節・11分)
テトスへの手紙はパウロと共に小アジアとギリシアで働き、コリント教会ともつながりを持っていたテトスに宛てられた手紙です。テトスは偽りの教えがはびこっていたクレタ島の教会に滞在しており、パウロは人々に信仰の真理を伝え、神の望む生き方を教えるようテトスを励ましています。この手紙は、教会指導者と信徒にも向けられ、正しい信仰に従い、正しく生きるように勧めています。また偽教師たちに対抗する指針となっており、教会における権威の維持に関心が集中している手紙です。

【フィレモンへの手紙】(1トラック・25節・5分)
フィレモンへの手紙は、パウロによって書かれた典型的な古代ローマ世界の手紙であり、パウロとフィレモンの親交を示す、非常に短い個人的な手紙です。軟禁状態にあったパウロの元には、フィレモンの家から逃亡した奴隷「オネシモ」がいました。彼をフィレモンの元に送り返す際に、パウロがしたためたのがこの手紙です。手紙の中で、パウロはフィレモンに、オネシモを友人として愛をもって迎え入れ、同じ信仰の友として扱うように勧めます。他の手紙でもパウロは、奴隷たちに主人に従うよう勧めつつも、奴隷制の中でも信仰を共にする奴隷と自由人は神の家族として一つであると語っています。

【ヘブライ人への手紙】(13トラック・300節・74分)
ヘブライ人への手紙は、新約聖書の書物でも、信仰に対して独自の視点を持った書物です。複雑なギリシア語を使用し、当時の弁論と討論の手法を取り入れながら、キリスト教の基本的な教義やイエスについて語っています。著者はユダヤ教とキリスト教の連続性を強調し、イエスが大祭司として全ての罪を贖ったこと、信仰によって赦しと新しい命が得られることを説教のように語っています。著者や執筆時期は不明ですが、苦難や迫害に苦しむ人々に、定められた競走を忍耐強く走りぬこうと励ましていることから、キリストの再臨の遅延に悩む第2世代のキリスト者に向けられたものと考えられています。

【ヤコブの手紙】(5トラック・108節・27分)
ヤコブの手紙は、神の民に対して生き方と他者への接し方について教える簡潔な手紙です。ローマ帝国各地に離散したキリスト者に宛てて、貧しさや試練、怒りに耐えることを勧め、他者を助け、隣人を自分のように愛することなど、信仰には行動が伴うことを教えます。この手紙は、離散している十二部族に宛てて書かれており、著者はキリスト者のことをユダヤ教の伝統の後継者と考えていたことがわかります。また、福音書のイエスの教えが多く含まれており、イエスの兄弟ヤコブあるいは、弟子ヤコブからの手紙として読まれてきました。

【ペトロの手紙一】(5トラック・105節・26分)
使徒ペトロの名前で小アジア北部のキリスト者たちに向けて書かれたのがペトロの手紙一です。福音書と同様にイエスの死と復活の重要性のほか、神へ信頼、謙遜、苦難の中でも喜ぶことなど、イエスの教えを繰り返し伝え、ローマ帝国による迫害が迫っていた人々に、信仰のために受ける苦難に備えるよう励まします。当時の礼拝で使われた信条や賛歌の一部が含まれるなど、初期のキリスト教会の状況や信仰の実践を示す重要な資料でもあります。

【ペトロの手紙二】(3トラック・61節・17分)
ペトロの手紙二は、すべてのキリスト者に宛てた手紙の形式を取っていますが、内容は使徒ペトロの告別説教もしくは遺言のように書かれています。手紙の中のペトロは自らの死を予期しており、偽教師や預言者に対する警告と共に、キリストの再臨を待つ期間も希望と忍耐を持ち続け、信仰に立って正しく生きることを勧めます。この手紙は、2世紀頃のギリシア文化が反映されているほか、パウロの手紙を聖書の一部であるかのように語っていることも特徴です。

【ヨハネの手紙一】(5トラック・105節・25分)
ヨハネの手紙一は手紙の体裁をとっているものの、初めと結びの挨拶を欠いており、イエスを神の言（ことば）と呼ぶことからヨハネ福音書との関連が示唆されている書物です。執筆年代と考えられている1世紀後半から2世紀初頭、グノーシス主義の影響を受けた偽教師たちによって、イエスは人の姿で現れたが実際は純然たる霊的な存在であり、人間の目標は物質世界からの解放であるという教えが広がっていました。それに対して、イエスは真に人であり、人が罪から清められるために血を流したこと、神が世界を創造し、そして世界を悪から解放し、神と一つにするためにイエスを遣わしたことを説いています。

【ヨハネの手紙二】(1トラック・13節・3分)
ヨハネの手紙二は、キリスト者全般に向けた挨拶と結びがある簡潔な手紙です。本文中の「選ばれた婦人」と、「その子どもたち」は、両方とも個人ではなくキリスト者のグループを指していると考えられています。キリスト者が互いに愛し合い真理に従うように勧める一方、ヨハネの手紙一と同様に、イエス・キリストは人ではなかったと主張するグノーシス主義の影響を受けた人々に対する警告を記しています。人を惑わす者や反キリスト（敵対者のこと）を家に迎え入れるべきでないと、著者は主に従う者に教えています。

【ヨハネの手紙三】(1トラック・15節・3分)
ヨハネの手紙三はヨハネの手紙二と同様に手紙の形式で書かれ、ガイオという特定の人物に宛てられた短い手紙です。ガイオはイエスの教えを伝え歩いていた旅人の世話をしており、著者はガイオが「真理の内を歩んでいる」と喜びを記しています。しかし、ガイオの教会の指導者の一人であるディオトレフェスは、旅のキリスト者を迎え入れることを拒否しており、手紙からは他の人にもそうするように言っていたことがうかがえます。著者はたとえディオトレフェスが反対しても、キリスト者を受け入れ続けるように語り、悪に倣わず、善に倣うようにと勧めています。

【ユダの手紙】(1トラック・25節・6分)
ユダの手紙は、不道徳な生き方を是とし、イエス・キリストが主であることを否定していた偽教師や預言者からキリスト者を守るための強い警告を含んだ手紙です。著者は「神の愛の内に自らを保ち」、道徳的な生活をすることによって、キリストに忠実な者となるように勧めます。旧約聖書やユダヤ文学の書物に言及していることから、読者は明確ではないものの、旧約聖書に精通していた初期のユダヤ人キリスト者であったと考えられます。初期キリスト教の指導者ヤコブとユダ（イエスの兄弟）が関与しており、内容から第1世代キリスト者の時代よりも後に書かれたと考えられています。

【ヨハネの黙示録】(22トラック・404節・119分)
ヨハネの黙示録は、黙示文学に属し、キリストの再臨と世界の終末について記した書物です。ローマ帝国時代、皇帝は神と崇められており、皇帝崇拝を拒否するキリスト教徒は反逆者と見なされ迫害を受けていました。多くのキリスト者が信仰の試練に直面している中、著者ヨハネは7つの教会に現れるさまざまな象徴と幻を通じて、神が悪と闘い、忠実な者たちに永遠の報いを用意していること、イエス（神の小羊）が最終的に勝利し、新しい天と地がやってくることを希望をもって示します。一見謎めいた難解な書物ですが、この書物は信仰のゆえに苦しんでいた初期のキリスト者にとって、力強い希望の啓示の書でした。