市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
ベランダ (8分)
名古屋市内のアパートの二階に住んでいるSさん。子どもの頃、妙なものを見たという。夜遅くに寝ようとするとベランダに女が立つのだ。それも子供を抱いている。その現れ方が奇妙で…。
苦情 (7分)
Iさんはマンションの5階に住んでいる。ある夜仕事から帰ると、部屋のドア付近に見たこともない女が立っていた。それを見て思わず「ウルトラマンみたいだ」と思ったという。そう思った原因を考えると鳥肌が立ってきたのだ。
白い喫茶店 (9分)
私の友人がいつも通るある商店街から見慣れぬ脇道に入ったときのこと。そこに白い喫茶店があった。雰囲気が良かったので中に入って、マスターとも話をした。だがこの喫茶店、実に奇妙なのだ…。
13階段 (11分)
大阪から金沢の支店に単身赴任してきてもう何年にもなるIさん。駅前のアパートを借りているが家賃がものすごく安い。その理由はIさんも知っていた。幽霊が出る物件なのだ。しかしIさんはそこに住み続けている。その理由を聞いてみた。
13回(9分)
芸人のTさんが名古屋市内のホテルに泊まったが、なんだかこの部屋にはいたくないという気持ちがある。しかし疲れていたこともあってそのまま寝入ってしまう。するとあることが13回も繰り返され…。
真夜中のベンチ (8分)
学生のSさんが夜遅く散歩に出かけた。いつもの薄暗い公園の前を通ったが珍しく中学生くらいのカップルがベンチに座っていた。この時間に?と思ったが、この後不可解なことが起きて。
黒い自転車 (7分)
出版社勤務のKさんは、奥多摩から都内へバイクで通っていた。ある夜遅く、バイクで峠に差し掛かった時から黒い自転車に追い掛けられた。それが幼女の乗った自転車。スピードを出すがその距離は離れない。
青信号 (17分)
京都の嵯峨野に幽霊トンネルと噂される場所がある。そのトンネルの前の信号機が青の時にそのままトンネルに入ると幽霊に遭遇するという。ある人がそのうわさに挑戦したところ、全治三か月の重傷を負ってしまう。
兵隊さんが通る (10分)
K子さんには小学三年生になる息子がいる。あるお盆のこと、息子が「兵隊さんが通るよ」と言いだした。いまどき兵隊なんているはずもない。しかし確かに表から大勢の人が行進しているような音が聞こえる。窓を開けて見てみると。
ドライブ (11分)
寺社巡りの好きなメンバー4人が、あるお寺に参拝した折に沢山の地蔵さんが並ぶ道を通った。帰りの車のバックミラーにそのお地蔵さんが写りこみ。そして…。
ばあさんが来る(12分)
Fさんという老人。亡くなったばかりの婆さんが寝床に現れて頬を叩くと言って助けを求めて来た。「生前、暴力を振るっていたからその懺悔の気持ちがそれを見せているのだろう」。そう思って親戚の者が様子を見に行った。すると、闇の中に音がしだした。そして頬を叩く音が…。
サーバールーム(11分)
少し前のこと。Hさんが務める会社にはコンピューターのサーバールームがある。もちろん厳重なチェック体制が敷かれているのだが。たまに出るのだ。もちろん防犯カメラにもしっかりと映っている。一体何が出るというのだろうか。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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