市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
老紳士(5分)
ある人がとあるラーメン屋に入って食券を買い、席に着いた。その直後、顎ひげをたくわえた老紳士も入ってきて、ある席に着いた。しかし老紳士は、食券も買わずただそこに座っており、お店の人も特に気にしていない。訝しく思い、それならばと「あること」を試みてみた結果…。
怪談の中のラーメン屋(13分)
家族連れでドライブをしていたIさん。山道沿いに廃屋となったラーメン屋を見て、友人から聞いた、あるラーメン屋に関する怪談を思い出した。ところが現実がだんだんとそのラーメン屋の怪談に一致してくる。よく見るとそのラーメン屋にはお客がいるようで、その様相は…。
納得のいかないラーメン屋(14分)
会社員のCさんは昼休みに新たに開店したラーメン屋を訪れた。好みに合った美味しさに常連となったのだが、気になるのは厨房に立っている痩せた女がいた。最初は幽霊でも見ているのかと思ったがどうやらそうでもないらしい。しかし何度が通ううちに納得のできないことが起きて…。
夢枕(8分)
ある男性が中学生の頃のこと。亡くなった父親が毎晩のように彼の夢枕に立つようになった。最初は「会いに来てくれたのか」と思っていたがどうも何かを言いたげなのだ。「どうしてほしいんや」と問いかけるが返事はない。ところがある日、父親の横に仏壇までもが現れて…。
1112324493(8分)
Sさんには3年付き合った彼氏がいた。その彼氏が就職祝いをしてくれるというので最寄りの駅で待ち合わせた。しかし彼氏は来なかった。当時はポケベルの時代。ポケベルを鳴らしても一向に反応がない。しかし…。
白い着物(20分)
名古屋の大学に通う学生。愛知県と岐阜県の県境にある展望台に幽霊が出るという噂を聞き、友人たちと幾度か出かけた。たしかにそこで白い着物の女を見たという友人がいた。彼も最初は本気にもしなかったのだが、ある日テレビを見ていて驚くべき真相を知る。確かに女は出ていたのだ。しかもその正体は…。
訳アリ物件(16分)
Mさんの職場にK君という若いアルバイトが入って来た。このK君の部屋は「出る」らしい。Mさんはその真相を突き止めるため、一度K君のアパートに泊まりに行ってみた。その部屋でMさんは明らかに異様なものを見る。しかも、K君の反応がおかしなものに感じ…。
すり鉢(9分)
営業回りをしていたOさんとSさん。あることで空き家に入ることになった。屋根が崩れ落ちているような廃屋。時間もあるし少し散策をしようということになった。だが、二人しかいないこの家の二階から、何者かが走る音がする。一人が二階へと上がって行くと、屋根が…。
ソウルのタクシー(12分)
ソウルに住むAさん。仕事に行くためタクシーに乗り込んだその時、ドアをすり抜けるように、さっと若い女が乗り込んで隣の席に座った。「お願いがあります」と女は話しかけて来た。Aさんは咄嗟に、この世の者ではないこと悟った。そして彼女にあることを託され、葬式会場に行く約束をするのだが…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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