市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
電柱の上にいるモノ(4分)
芸大時代の話。友人たちが車で大学の最寄り駅に向かっていた。雨の中の道。前方に電柱が見えるがそのてっぺんに靄が発生し、なんだか光っているものが…。
車中の友人たちが叫んだ!
下の部屋(14分)
私の体験。学生時代は大阪市内のアパートの二階に住んでいた。ある朝起きてみるとアパートの周りが人だかりになっており、パトカーも到着している。何事だろうか。
警官の声が聞こえた。「死因、餓死」。下の住人が餓死したという。実は妙なことがあったのだ…。
ハトの出る部屋(7分)
稲川淳二さんによるパクリ疑惑となった話。私の後輩M君と同じ学生マンションに住む先輩。先輩は朝になるとハトが部屋に来るという。姿は見ないが枕元で鳴くそうだ。その先輩が留守の日、ハトはM君の部屋に来た。
枕元で「クック」と鳴く。「いや違う」。違和感が起こった。それはハトではなく…。
花嫁さん(7分)
大学近くの学生マンション。夕方、K君がひと眠りしようとすると体が動かなくなった。 部屋の隅に文欽高島田の花嫁姿の女が正座しており、何かを縫っている。
恐ろしくなり目を逸らすと反対側に日本兵がいて…。
噂の真相(14分)
芸大近くは古墳が多数ある。古墳近くの道に日本兵の幽霊が出るとの噂がたったことがあり、後輩によればそれはユニフォーム研究会の学生だろうという。
しかし、ユニフォーム研究会内で起きたホンモノの日本兵の幽霊話も披露され…。
デザイン棟(12分)
ある美術大学の校舎にあるデザイン棟。出るという噂があるため、居残るなと先輩や教授に言われていた。しかしM君はあることで居残ってしまったことで、とんでもない現象を目の当たりにすることになる。
管打レ(4分)
管打レとは音楽学部の管弦と打楽器のレッスンルームのことである。ある女学生が夜遅くまで居残ってレッスンをしていると、倉庫の内側から助けを求めるようなノック音がする。
人が閉じ込められているのだろうか。管理人を呼んで開けてみると…。
落下物(4分)
ある大学の校舎に和室の広間がある。申請すれば泊ることもできる。S君たち数人が泊まり込んだが目的があった。広間の窓から見える校舎の屋上から飛び降りの幽霊が視られるというのだ。その真偽を確かめようとして…。
猫の視線(14分)
ある学生が夜中になるとフラッと出掛けて1時間ほどして帰って来ることを続けていた。聞いてみるとある神社にいる野良猫にエサをやりに行っているという。
同時に幽霊も出ているが、慣れて怖くないという。ところがある夜、彼は悲鳴を上げながら帰って来た。
首(9分)
ある自主映画製作の手伝いに行った時、現場で二人の女の子の様子がおかしかった。うずくまって何かに怯えている。何があったのか話してくれない。
だが後に分かったのは、彼女たちは信じられない状況で生首を目撃していた。悍ましいその体験談とは。
9号館 (18分)
私の母校の大学の9号館から、毎年一人、学生が飛び降りるという噂がある。その真偽は分からないが後輩のK君はもう少しでその犠牲になるところだった。
その飛び降りるという動機が摂り憑く恐ろしい体験談とは。そしてそれは今も続いているという報告も。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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