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旭堂南湖 講談 現代怪異譚 十二

[オーディオブック] 講談 現代怪異譚 十二

旭堂南湖
パンローリング
マンスリープラン対象商品 ダウンロード販売 MP3 114分 16ファイル 2023年12月発売
本体 1,600円  税込 1,760円

  

マンスリープラン対象商品

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上方講談 現代怪談の世界

近年、注目を浴びている、日本の伝統話芸「講談」。
「冬は義士 夏はおばけで飯を喰い」と川柳に詠まれたほど、 講談師は夏になると怪談を語ってきている。

クーラーのなかった時代、観客は講談師の語る世界に身をゆだね、 背筋を凍らせ、暑い夏を忘れた。

講談師の旭堂南湖が贈る現代怪談。
故きを温ねて新しきを知る。
名調子で語る「現代の怪談」ここにあり。

内容紹介

「自撮り」(10分)
「南湖さん、写真撮ってもいいですか」「いいですよ。どうぞ」
講談会が終わってから、お客さんを見送っていると、若い女性が声をかけてきた。ショートカットのNさん。
「講談とっても面白かったです」「有難うございます。一緒に撮りましょうか。……誰かスマホのボタン押して頂けますか」「大丈夫です。自分で撮りますから」
Nさんはスマホを持った右手をグーッと前に伸ばして、左手はピースをして顔の側へ持ってくる。一瞬体の動きを止めると、スマホのボタンを押した。自撮りの画像を確認して、うんうんと頷くと、「南湖さん。有難うございました」「いえいえ」「自撮りの写真って、幽体離脱しているみたいですね」「えっ、幽体離脱?」

「写真」(6分)
「南湖さん、この写真、見てもらえますか?」「はい。どれでしょう」
また講談会に来てくれた若い女性のNさん。終演後に喋っていると、自分のスマホを差し出した。公園で自撮りした写真。画面の右端にNさんが写っていて、背後にはお城と水辺が写っている。お天気のいい日だったんでしょう。青空が美しい。
「ここなんですよ」と指さしたのは、画面の左側、樹木が生い茂っていて、そこに黒い影がある。楕円形でその周りはギザギザとなっていて、わかりやすく言うとドリアンのシルエット(笑)。余計にわかりにくいかもわかりませんが、ラグビーボールにゴツゴツと凸凹をつけた感じ。

「月見」(6分)
「南湖さん、石山寺に行ったことがありますか」
話しかけてきたのは、もうお馴染みの若い女性でNさん。
「ええ、ありますよ。きれいなお寺ですよね。良弁和尚が建てた」「良弁和尚?それは誰ですか」「良弁和尚は近江出身で、子供の頃に鷲にさらわれて、後に東大寺のご住職になって、奈良の大仏建立を帝に勧めた方です」「へえーよくご存知ですねえ」「講談にも出てきますよ」
滋賀県の石山寺は、来年の大河ドラマ「光る君へ」に必ず登場すると思います。「光る君へ」は、平安中期に源氏物語を書きました、紫式部が主人公です。

「首」(6分)
Nさんが、「南湖さん、滋賀県で一番高い山って知ってますか?」「伊吹山かなあ」「正解」「じゃあ、二番目に高い山は」「金糞岳」「よく知っていますねー」 滋賀県で一番高い山は、伊吹山。標高が一三七七メートル。二番目に高い山は、金糞岳。変わった名前ですが、金の糞と書いて、金糞岳。昔ここは鉱山で鉱石がたくさん採れた。鉱石から不純物を取り除いて精錬するときに出る滓。これを「金屎(かなくそ)」といったそうで、それが名前の由来となって、金糞岳。妙な名前ですが標高が一三一七メートル。伊吹山よりわずか六十センチ低いだけ。滋賀県では二番目に高い山。

「百足」(9分)
Nさんが「南湖さん、俵藤太、知っていますか」「ああ、三上山で百足退治をした俵藤太藤原秀郷」「そうそう、会いに行きましょう」「えっ、会えるの?」「会えます」
Nさんは時々、不思議なことをいう人なので、どういう意味だろうと思いながら、Nさんが運転する車に乗ると、到着したのが瀬田の唐橋。近江八景の一つです。

「足フェチ」(8分)
Nさんとその友達でYちゃん。Yちゃんは車椅子に乗っているのですが二人に連れられて、大津市にある近松寺へ行ってきました。ここには投げ出し弁天があるという。不思議な名前ですね。平安時代に天台宗の僧侶で安然という方がいました。貧しい僧侶で弁天様に「どうか私に福を与えて下さい」とお願いをしますと、弁天様が足を投げ出して、「私の足を舐めなさい。そうすれば福を与えてやる」と言った。足を投げ出して舐めろとは何事だ。安然は怒ってその足が二度と動けないようにしてやる。呪文を唱えると弁天様の足が動かなくなって、投げ出したままの姿で現在も近松寺に祀られています。

「透明な魚」(5分)
いつものNさんが、「南湖さん、透明な魚ってみたことがありますか」「透明な魚? うん、水族館で見たことがある。体が透明で骨や内臓や目玉はちゃんと見えている。小学生の頃、その魚を美術の時間の時、絵に描いた記憶がある」「それは多分、トランスルーセントグラスキャットかな」「名前はちょっとわからないけど」
Nさんがスマホで検索して画像を出してくれた。確かに体が透き通っていて、骨が見えている。記憶にある魚だ。「多分、これだと思う」「あたし、琵琶湖で透明な魚を見たことがあって」「へえー」

「裏路地」(8分)
五十代の女性、Kさん。小学5年生の時の記憶。学校の帰り道。三、四人の友達と一緒に帰り、やがて家が近付いてくると、「それじゃあね。バイバイ」といって、一人去り、二人去り。最後はいつもKさんが一人で帰ることになる。
それまでアスファルトの道だが、角を曲がって裏路地に入ると土道になる。その先に自宅がある。裏路地には狸の置物がある。大きな信楽焼の置物で、Kさんは「こんにちは」と挨拶をして、頭を撫でるのがいつもの習慣。頭を撫でると、狸の目がキラッと光るような気がする。

「廃墟」(8分)
五十代の男性、Uさん。メガネを掛けているサラリーマン。
暑い夏の日。営業の仕事で地方に行った。午前中はいい天気だったが昼過ぎから曇り空。夕方に仕事を終えた。空を見上げると今にも雨が降りそうだ。急ぎ足で駅まで向かっていると、五階建ての古いビルがあり、廃墟になっているようだった。Uさん、いつ頃からか廃墟に惹かれるところがあって、思わず足を止めた。

「廃墟 その2」(9分)
Uさんの友達でA君。二十代の若者です。年齢は離れているが、二人は廃墟が好きという趣味から、ネット上で知り合って付き合いが始まった。
A君は甘え上手なところもあり、Uさんは若者と喋るのが新鮮で一緒に出かけるのが楽しかった。ある冬の日、Uさんの運転する車で二人は廃村へ出かけた。

「染み」(5分)
三十代のDさんは大型マンションに住んでいる。近所に店も多く住みやすいところだった。マンションは内廊下になっている。
ある日、玄関のドアを開けると目の前に染みが付いていた。部屋の前の廊下はこの階の住民が歩くから誰かがジュースでもこぼしたのだろう。先月、廊下の改修工事が終わって綺麗になったところだったのに嫌だなあと思った。赤黒く濡れている。

「蛍」(8分)
「うわー、いっぱいいる」
三十代の女性、Tさんが蛍の乱舞を見たのは、六月の初めだった。大学の同級生、Lちゃんに誘われて、一緒に米原市の天野川へ出かけた。Tさんが育った地域には蛍があまりいなくて、子供の頃に数匹飛んでいるのを見るぐらいだった。

「首 その2」(6分)
「首筋に息を感じるようになったのは、物心ついたときだった。首の周りに見えない何かがまとわりついていて、シャクシャクと口を動かしたり、息を吐きかけたりしている。見えないけどそこに何かがいるんだ。幼稚園の頃からいつも首の周りを触ったり、常に首を気にしているので、母親が『首は触っちゃだめ、動かしちゃだめ』と、その都度注意するんだ」そう語ったのは、三十代半ばになっているEさん。

「銅鐸」(8分)
Rさんという三十代のサラリーマンが、「南湖さん、銅鐸って知っていますか」「銅鐸って、銅鐸ですか。小さい釣鐘のような」「そうです。よく出土する」「よくかどうかはわかりませんが、銅鐸が出土したというニュースは見たことがあります」

「蛍 その2」(6分)
大学四年生のS君。小さい頃から両親が共働きで、同居しているおばあちゃんが親代わりになって育ててくれた。食事を作るのもお菓子を買ってくれるのもおばあちゃんで、いたずらをして両親に怒られたときもいつもおばあちゃんがかばってくれた。

「老人」(4分)
八十一歳の吉田さんから伺ったお話。吉田さんは、昭和十八年生まれ。子供の頃の記憶で一番印象に残っているのは、夢で老人から怒られたことです。あご髭を生やした老人が、子供の吉田さんに向かって怒鳴っている。「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず。勉強せいよ」と言って消える。

旭堂 南湖(きょくどう なんこ) プロフィール

講談師。
1973年生まれ。
滋賀県出身。
大阪芸術大学大学院修士課程卒業。

1999年、三代目旭堂南陵(無形文化財保持者・2005年死去)に入門。
2003年、大阪舞台芸術新人賞受賞。
2010年、文化庁芸術祭新人賞受賞。
2015年、『映画 講談・難波戦記-真田幸村 紅蓮の猛将-』全国ロードショー。主演作品。
2019年、CD「上方講談シリーズ4 旭堂南湖」発売。「血染の太鼓 広島商業と作新学院」「太閤記より 明智光秀の奮戦」収録。

OKOWA胎動出場
怪談グランプリ2019出場
怪談最恐戦2019ファイナル出場
東大阪てのひら怪談優秀賞受賞

ZOOMを使った「オンライン講談教室」も好評。
講談や怪談の語り方をマン・ツー・マンで懇切丁寧に指導し、普及に努めている。

講談師・旭堂南湖公式サイト https://nanko.amebaownd.com/
Twitter http://twitter.com/nanko_kyokudou

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