内容紹介
不朽の名作を2時間で!
楽しく、わかりやすい新訳で収録しています♪
世にもめずらしいオペラ座の怪人の物語。
オペラ座は怪人の話で持ちきりでした。黒い服を着た怪人のすがたを見た人が多いのです。
怪人の様子はふつうではありませんでした。ともなくあらわれ、すぐに消えてしまうのです。
ゆうれいと思われてもふしぎではありません。そんななか、すぐ近くで怪人の顔を見たという、道具係の親方であるビュケがオペラ座の地下三階で、ロープで首をつっている死んでいるのが発見されたのです。
この日、オペラ座でおこなわれた特別こうえんでは、新しいスターがたんじょうしました。バレリーナのクリスティーヌ・ダーエです。オペラ『ファウスト』の主役のカルロッタがなぜか休んだため、クリスティーヌが代役をつとめました。
クリスティーヌはこれまでわき役のひとりにすぎませんでした。それなのにこの日、なぜか急にうまくなりました。
それから、オペラ座に新しい支配人が二人やってきました。かれらは、怪人のうわさ話を信じていませんでした。
ところが、『ファウスト』のこうえんの朝、支配人のところへ怪人から手紙がとどいたのです。その内容は五番ボックス席をわたしに自由に使わせること。クリスティーヌを主人公のマルガレーテ役とし、かのじょに歌わせることなどが書かれていました。
しかし、支配人は怪人のおどしには負けず、要求を聞き入れませんでした。
今夜のこうえんは大成功にまちがいないと思われたそのとき、天井にかけられた大きなシャンデリアが、一階席の真ん中へ落ちました。ガシャーン!という大きな音に続いて、オペラ座の場内にひめいがひびきわたります。観客はにげ出し、大さわぎになりました…。
目次
はじめに
第一章 ゆうれい、あらわる
第二章 こどものころの思い出
第三章 怪人との取りきめ
第四章 仮面舞踏会(かめんぶとうかい)
第五章 ひみつの婚約
第六章 クリスティーヌの回想
第七章 消えたクリスティーヌ
第八章 怪人の正体
第九章 拷問部屋の中で
第十章 怪人の最後
終わりに
ガストン・ルルー
1868年生誕。1927年没。
パリに生まれ、パリ大学を卒業。その後新聞記者として活躍する中、「マタン」紙に小説を連載することになる。新聞社を退職した後は、作家として人気を博す。
オペラ座を訪問した際に奇妙な噂話を聞き、『オペラ座の怪人』を執筆。イギリス、アメリカの新聞に連載、また、映画、ミュージカルにもなり世界で人気のある作品となる。
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