市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
友だちのJ君 (10分)
ある人が小学生の頃、J君という友達がいた。いつも塾に通っていて一緒に遊んだことがあまりない。しかしある夕方、その遊び場にJ君が珍しく姿を現した。しかしその言動が妙だ。
その夜、驚くべき真実が父の口から語られる…。
来客 (8分)
大手製薬会社の研究所に勤めていたTさん。
ある夕方、2階へ上がる階段でハンチング帽を被った上品な男性とすれ違った。2階の研究室に入って「今来ていた人、誰?」と聞くと、思いもかけない反応があった…。
夢に立つ友人 (4分)
ある女性が、親しい友人から「Tなんだけど、成仏しているんだろうか?」と突然言われた。 Tとは共通の友達だったが一ケ月前、バイク事故で死亡した。しかし、その友人の夢の中に頻繁に出て来るようになったらしい。しかも気になることに…。
弟の命日 (7分)
Yさんには幼くして亡くなった弟がいる。ある年の命日の日、仏壇の前に御供え物をした。するとその夜、母の部屋から寝ているはずの母の奇妙な声が聞こえた来た。そして血相を変えてリビングに姿を現し、「出た!」という。
おばあちゃんのテレビ (6分)
Sさんのおばあちゃんが亡くなり、おばあちゃんが使っていた部屋がSさんの部屋となった。
部屋にあるテレビが勝手について、しかもおばあちゃんがよく見ていたチャンネルだ。
そこでSさんはテレビを処分しようとしたら…。
葬式ビデオ・その1 (4分)
ビデオ制作会社を経営している友人。その彼からあるビデオを見せてもらった。
親戚の葬式の様子を収録したもの。特に妙なものは映っていない。しかし彼は言う。 「この最後の部分、よお聞いときや」
葬式ビデオ・その2 (8分)
これもあるお葬式のビデオ。ある会社の会長の葬式で社葬だったというが、訳あってカットした部分があるという。そのカット部分は「見ると、人生が変わるぞ」というものだったらしく…。
さちこおばさん (5分)
Wさんが婚約者と日比谷公園で昼食を取っていると、喪服に提灯を下げた親戚のおばさんがこっちへやって来た。そして「お葬式があるからすぐ故郷の山形へ帰りなさい」という。そして踵を返すと消えたのだ…。奇妙に思って…。
アヒル (12分)
ある小学校の教師をしていたCさん。放課後、プールで異常があったという知らせを子供たちから聞いた。現場に行ってみると飼育していたアヒルが変死をしていた。実はそのようなことは二度目だった。しかもそこは以前水死した生徒が発見された場所。そして、ある目撃談が入ってくる。
新聞奨学生 (20分)
30年ほど前の事。関西から上京したMさんは、新聞店に住み込みながらアルバイトをする新聞奨学生だったという。そのお店がたいそう古いもので、様々な幽霊騒動があり…。
親父の車 (5分)
仕事帰りのYさんが、いつもの道を車で走っていると、いつの間にやら見覚えのあるグレーのセダンが前を走っていた。親父の車だ。
こんな時間にこんな道を?と不思議に思って追いかけると、地元の総合病院の駐車場に入っていった。しかし、そこで車を見失ったのだ。
胸騒ぎがして家に連絡をしてみると…。
二つの繭 (8分)
Fさんという女性の誕生に纏わる不思議な話である。
彼女の母はFさんを身籠る前、真夜中の寝室の中に人間が入ったかのような巨大な二つの繭を見たという。夢ではない。その繭は天井へと上がっていき…。
どちらを選ぶ (8分)
Fさんの誕生に関するもう一つの話。当時彼女の母は遺産相続の問題に悩まされていた。そこに見知らぬ人から電話があり「お金を取るか、子どもを取るか、どちらだ」と言われたという。
母は子どもを取った。そして金を取った親戚にはその後、次々と不幸が襲う…。
幽霊を見た (15分)
Sさんの元に、ある朝電話があった。妹夫婦の一人息子からだ。甥は「幽霊を見た」と興奮している。Sさんも最初は子供のいう事と相手にしなかったが、この幽霊目撃が元となって、ある大事件が発覚することになる…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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