市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
郵便物(9分)
ある人の所に郵便物が届いた。封を開けてみると一週間前に無くした財布だった。
しかし差出人にも住所にも覚えがない。
とにかくお礼をとその住所に行ってみると、そこは老人ホームで該当する人はいないという…。
天井裏(7分)
学生のМ君はアパートに住んでいる。ある日友人と部屋で電話をしている時…。
「ところでヨシザワさあ」。天上裏で奇妙な音がした。
それからもヨシザワという名を呼ぶと何やら音がする。
М君は気になって天上裏を覗いてみると、「吉澤」と書かれたあるモノがあった…。
おシカさん(8分)
脱サラをして田舎に引っ越してきたUさん。ある日縁側でお酒を飲んでいると、いつの間にか見知らぬおばあさんが座っている。
お酒を勧めるとぐいっと飲み干して嫌味を言う。そんなことがよくある。
地元の人にそのことを言うと、それはおシカさんという…。
安い家(15分)
学生のK君が家賃が異様に安い家の張り紙を見つけ、管理人に来てもらい内見をした。
三階建ての古い家なのだが、間取りが奇妙で変わっていて、さらに人が住んでいる気配がする。管理人はそんなことはないというのだが…。
兄の部屋(19分)
ある人の話。幼いころから兄の隣室で寝ていたという。襖一枚で仕切っただけの兄の部屋。ある日から、寝ていると女が部屋の隅に立っていると兄が母に言うようになった。
母はその話を無視していたが、襖一枚向こうにそんなものがいると考えただけで自分は恐ろしい。ところがその女は日に日に…。
上の住人(8分)
会社員のTさんはマンションの七階に住んでいた。ところがいつも夜になると、上の部屋から子供が走り回る音がする。
あまりに煩い夜、たまりかねて抗議に向かうと、住人は僧侶だった。しかも子供はいない。いったいこの不可思議な状況の真実とは…。
サトルくん(8分)
あるゲーム好きの高校生のコレクションの中から、買った覚えのないゲームソフトが出て来た。そこには「サトル」とマジックで書かれていたのだが、友人や知人に心当たりもなかった。
ところがある日、家のインターホンが鳴り、そこには制服を着た「サトル」と名乗る中学生が立っていた…。
返って来る車(9分)
あるライターのところに外車のディラーをしている弟から電話があった。「謝礼は出すからお祓いできる人を紹介してくれ」と言う。その様子が尋常ではなかった。
後で何があったのかと聞いてみると、売れても必ず返ってくる車があるという。理由はお化けが出るからと。とてもそんなことは信じられなかったが、ある夜、霊の存在を確信する出来事が起こったというのだ…。
鉄扉の門(14分)
Hさんが小学生の頃、通学路に廃屋があった。塀に囲まれ正面に立派な鉄扉の門があった。大人たちから「あそこには入るな」ときつく言われてはいたが、好奇心に負けて侵入してしまったという。
ところが遊んでいるうちに警察が出動するような大事件が起こる。それがまた、不可解で恐ろしい事件だったのだ。
百物語の怪(17分)
大阪の学生たちが京都のお寺に集まって百物語をした。当日、20人が集まるところが、なぜか3人だけとなったが、この3人で百物語を行うことにした。
朝になっても何も怪異は起こらなかった、と思ったのだが、実は三人ともあるものを見ていたのである…。
百物語の取材(8分)
あるライターの元に、編集長から電話があった。「今夜、ある寺で百物語があるから取材へ行け」という。仕方なく彼はお寺に出向いたが、そこで行われていた怪談会は、各々が「私はこうして死にました」で始まる奇妙な会だった…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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