実説 城谷怪談
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「邪気を呼び共に消える」(27分)
ダイキさんという三十歳の怪談好きの青年が職場で、「誰か怖い体験している人はいないか」と尋ねるとCちゃんという部下の女の子が自分の体験を教えてくれた。 彼女は50年続く料理屋の令嬢で三姉妹の真ん中。祖父が料理人、祖母はかつて日本人形の人形師だった。 Cちゃんが生まれるとなった時祖母が数十年ぶりに、出産記念にとCちゃんと、姉の生まれた時のサイズに合わせてそれは美しい人形を作ってくれた。 この人形こそが怪異を呼び起こすことになると誰が予想できただろうか。
「慌しい足音」(32分)
横澤さんという女性がかつて住んでいた実家は作りが変わっていた。 元は戦前納屋として建てられた平屋の家屋を店舗に改築したり、極めつきは昭和34年の伊勢湾台風の時に強引に階段を増築して二階を作ってしまった。 彼女が高校二年生のある晩、一階の六畳で寝ているとミシミシと階上から人の足音が聞こえてきた。 隣で寝ていた母と身を寄せ合って怯えていたが、勇気を奮い立たせ様子を見に行くことに。
「もう一人の同居人」(32分)
当時大学生だった綾乃さんが体験した話。 軽音楽部の夏合宿で長野に訪れていた最終日の夜、先輩の誘いで廃墟探訪に出かけた。帰ってきた際に、大阪の母から電話が来ていたことに気付いて折り返すと、心配そうに何事もないかと聞いてきた。 どうしたのかと聞いてみると、ついさっき住人不在の綾乃さんの部屋の電気が勝手についていた、お前に何かあったんじゃなかろうかという。かくしてそれは怪異の序章に過ぎないことをまだ知る由もない。
「十五年目」(19分)
横澤さんは父と会ったことがない。生まれる前に死別していたからだ。 彼女が中学三年生、その日も遅くまで受験勉強で起きていた。外は降りしきる雨の音が激しさを増す九月十五日。 突然彼女は耳元ではっきりと名前を呼ばれてはっと顔を上げた。家内には母しかいないというのに声は男性だったからだ。 隣室との間のふすまが開いて寝ていた母も驚いたように顔を出し「...今の声」二人して声を聞いたのである。 翌朝、母がカレンダーを見て「あれ、お父さんだわ」と呟いた。
城谷 歩(しろたに わたる) プロフィール
1980年2月16日生 北海道小樽市出身
15歳から舞台演劇を中心に俳優活動を始める。
その後、劇団深想逢嘘(2000年〜2011年)を発足、主宰を務める。
様々な職種を経て2012年1月怪談師デビュー。怪談ライブバー スリラーナイト札幌本店で活動後、2014年から同六本木店オープンに合わせ上京。
外部出演、独演会開催、メディアへの出演多数。
2018年独立。公演情報などはHPにて。
http://shirotani-kwaidan.com
■メディア
・「所さんの目が点」
・「大人養成所バナナスクール」
・「Rの法則」
・「柴田阿弥の金曜thenight」
他多数
■書籍
・恐怖怪談「呪ノ宴」(竹書房 単著)
・怪談師恐ろし噺「裂け目」(竹書房 単著)
■DVD
・「怪奇蒐集者」(楽創舎)
・「六本木怪談 呪・祟」(楽創舎)
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