お子様向け短めの講談を楽しんでください♪
近頃、注目を浴びているのが日本の伝統話芸「講談」。
子供にもわかりやすい講談の入門編。
名作講談といえば赤穂義士伝。
四十七士の中でも有名なのが大高源吾。
大高源吾の「腹切魚」と「両国橋」。
大塩平八郎の名裁き「ひょうたん裁判」。
東大寺に今も残る良弁杉の由来「鷲にさらわれた子供」。
近江八景を詠み込んだ講談独自の修羅場読み「明智左馬助 湖水渡り」。
特典として、講談台本PDFがダウンロードできます。
講談を覚えて、声に出して読んでみよう。
これさえあれば、わたしも講談師になれる！！
それでは、はじまり〜、はじまり〜。（パンパンッ）
内容紹介
「ひょうたん裁判」(11分)
大阪の堺筋に、瓢箪屋金兵衛という、大きな薬屋さんがございました。主の金兵衛には、金太郎、金次郎、金三郎という、三人の倅がいました。
ある日のこと、主、金兵衛が風邪をひいたかと思ったら、そのままコロリと亡くなりました。さぁ、三兄弟の間で、財産争いが始まった。瓢箪屋という店の暖簾を継ぐのに、無くてはならない跡継ぎの印が、小さな瓢箪。ところが、三兄弟全員が、この瓢箪を持っていた。
さあ、この裁判。大塩平八郎はどう裁くのか。
「鷲にさらわれた子供」(15分)
奈良といえば大仏さん。東大寺二月堂では、毎年三月に、お水取りが行われています。二月堂の前に、大きな杉の木があります。良弁杉（ろうべんすぎ）と申します。
さて、お話は、只今から千二百五十年以上も昔。東大寺大仏殿の造営を、時の帝にお勧めをしたのが、良弁和尚。良弁は、近江の国滋賀郡のお百姓の家に生まれました。生まれてすぐに父親が亡くなって、おっかさんの手で育てられた。良弁和尚が二歳の時、母親がこの子を連れて桑の畑に参り、仕事をしていると、一陣の風と共に、高き空へから、大きな鷲がズッーッと舞いおりてきて、無邪気に遊んでいる子供の帯に爪を引っ掛けると、そのままダァーッと空へ舞い上がる。さあ、良弁和尚の運命やいかに。
「大高源吾 腹切魚 上」(15分)
赤穂義士四十七士の中で浅野内匠頭のもっともお気に入りは、大高源吾。
この人は俳諧の宗匠でもあります。俳名を湖月堂子葉という。三十二歳で松平隠岐守の屋敷で切腹を致したときに、「梅で飲む茶屋もあるべし死出の山」。これが大高源吾の辞世でございます。
赤穂の城が明け渡しとなり、一同が全国へ散らばる。大高源吾も中村勘助と一緒に、いよいよ江戸へ下向するとになりました。ところが大石内蔵助が江戸へ参る人たちに言いつけたのは、我々の仇討ちを悟られてはならぬから、賢い人、器量人と付き合いをしてくれるなと、固く戒めてございます。
二人は道を急いで東海道を参ります。伊勢の津へ参りました時に大高源吾が、義兄、水沼久大夫の屋敷に寄りたいという。さあ、どうなる。
「大高源吾 腹切魚 下」(18分)
大高源吾がヒョイッとみるとコノシロが乗っている。コハダとも申します。青魚。武士のお膳の上に、魚もたくさんあるが、コノシロは決して使いません。昔は冷凍技術がありません。この魚は内臓がすぐに腐り、自然に腹が切れている。だから別名、腹切魚とか切腹魚と申します。武士が腹を切っては大変。ですから武士はコノシロには決して手をつけない。縁起の悪い魚。
ところが、お膳の上にコノシロが乗っておりますから、ハッと驚いた大高源吾。義兄、水沼久太夫にこのことを伝えると、水沼は…。
「大高源吾 両国橋 上」(18分)
赤穂義士四十七士の一人、大高源吾。この人は俳諧の宗匠でして、俳名を湖月堂子葉と申します。その当時、江戸で有名な俳諧師、宝井其角、服部嵐雪、杉山杉風などと、交際をしています。また、山田宗徧という、吉良屋敷へ始終出入りをしている、有名なお茶の宗匠がございました。大高源吾は名を変えて、この山田宗徧に弟子入りをしています。
この山田宗徧から、「吉良様は十二月十五日に、上杉様のお屋敷へ引き取られる」と聞いたから、急いでこのことを大石内蔵助へ知らせました。これが、十二月十三日のお昼前。上杉十五万石の屋敷内へ引き取られてしまったら、もう討ち取ることはできない。本懐を遂げられるか、遂げられぬか分からぬが、十四日の夜に、討ち入ることを決めたのでございます。
「大高源吾 両国橋 下」(10分)
大高源吾が、両国橋へやってきた。雪は一層盛んに卍巴と降っている。すると向こうから、十徳を身にまとい、頭巾をかぶり、襟巻をして、尻っぱしょり、紋羽の股引、白足袋に足駄をはき、傘を半開きにしながら雪の中をサクサクサクサク。やってきたのは、茅場町に住まいをしていた俳諧師の宝井宝普斎其角。芭蕉十哲の一人です。当時、日本一の俳諧師。懐中から紙と矢立を取りだすと、「ここで一句」風流人というのは暢気なもので、雪がドッと降る中、ジッと立ったまま、筆をとってサラサラと書いた。其角が、『年の瀬や水の流れと人の身は』と詠んだ。大高源吾は、受け取って、『明日待たるるその宝船』。
「明智左馬助 湖水渡り」(11分)
天正十年六月二日、京都本能寺において、織田信長の御首級を上げた明智光秀は、遂に惟任将軍に進みましたが、続いて、山城国山崎において、急を聞いて中国からひっ返した羽柴筑前守秀吉と、合戦に及びます。
時に天正十年六月十三日、ものの見事に、光秀方の負けいくさと相成ります。誠に、三日天下とはこの光秀のことにございましょう。この時、明智左馬助光俊は、江州蒲生郡安土の城を乗っ取り、加勢の同勢を得ると、主君光秀の後ろを助けるべく、おさおさ用意怠りませんでしたが、山崎の一戦敗北という注進を受けると、今はこの安土にいることも詮なしとあって、ここを立ち出でて大津八丁畷まで乗り出しました。
近江八景を詠み込んだ修羅場読み。これぞ講談の醍醐味。
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を印刷可能なPDFでプレゼント！
※商品版の音声と一緒にダウンロードいただけます。
旭堂 南湖（きょくどう なんこ） プロフィール
講談師。
1973年生まれ。
滋賀県出身。
大阪芸術大学大学院修士課程卒業。
1999年、三代目旭堂南陵（無形文化財保持者・2005年死去）に入門。
2003年、大阪舞台芸術新人賞受賞。
2010年、文化庁芸術祭新人賞受賞。
2015年、『映画 講談・難波戦記-真田幸村 紅蓮の猛将-』全国ロードショー。主演作品。
2019年、CD「上方講談シリーズ4 旭堂南湖」発売。「血染の太鼓 広島商業と作新学院」「太閤記より 明智光秀の奮戦」収録。
ZOOMを使った「オンライン講談教室」も好評。
講談や怪談の語り方をマン・ツー・マンで懇切丁寧に指導し、普及に努めている。
講談師・旭堂南湖公式サイト https://nanko.amebaownd.com/
Twitter http://twitter.com/nanko_kyokudou
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100分 7ファイル 2022年9月発売
