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山本周五郎 頬

[オーディオブック] 頬

山本周五郎
パンローリング
マンスリープラン対象商品 ダウンロード販売 MP3 34分 4ファイル 2020年1月発売
本体 500円  税込 550円

  

マンスリープラン対象商品

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内容紹介

山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。
その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。

<あらすじ>
茂兵衛は勝浦の橋七というかなり大きな網元の三男だった。元は鯨突きになろうとしていたが、悪い仲間が出来て賭け事に溺れ、すっかり性格を荒ませた。家を飛び出した彼は、五年経って憔悴しきった面持ちで帰って来た。その時に彼の世話をしたのが、阿いまだった。不器量ながらも気性が優しく、良く働くと評判の娘だった。引きこもっていた茂兵衛だったが、阿いまにだけは心を開くようになり、過去の過ちを懺悔していた。
「阿いまは綺麗な頬をしているな」
阿いまはある日、ふと茂兵衛が口にしたこの言葉を忘れられずにいた。
夫婦になった二人は潮の激しい「舟入れず」の入江を漁場にする計画を実現すべく懸命に働いたが、三年の間その努力は実らず、ついに茂兵衛はさじを投げた。
「三年のあいだ夢をみたんだ、つまらない夢だった」
明日ここを引き払うという茂兵衛の目の前で、阿いまは熱された鏝を自らの頬に当てようとした。必死に制止した茂兵衛は、阿いまがこのような行いに及んだ真意を知る……。

山本周五郎(やまもと・しゅうごろう)

1903〜67年。小説家。山梨の生まれ。本名・清水三十六(さとむ)。名は生まれ年からつけられ、筆名は東京で徒弟として住み込んだ質屋「山本周五郎商店」にちなんだ。20代前半に作家活動を始め、39歳の時『日本婦道記』が直木賞に推されたが受賞辞退。その後も多くの賞を固辞する。江戸の庶民を描いた人情ものから歴史長編まで作品は数多い。代表作には、「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「おさん」「青べか物語」「さぶ」などがある。1987年9月には、「山本周五郎賞」が新潮文芸振興会により設定された。

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