内容紹介
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。
その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
<あらすじ>
嫂(あによめ)の純子が住む須磨の家の離屋に滞在している久良正三は、甥っ子の一政から須磨寺の動物園の豹が逃げ出したという話を聞く。大きな番犬が噛み殺されたり、近所で大騒ぎになる中、正三は純子から、二年前に拳銃で自殺した兄の真相を聞かされる。ずっと理由が分からずにいたその真相は家政婦と問題を起こしたからだと知らされ、さらにその家政婦が子供を産んだと聞いて、昭三は驚く。
まだ豹が捕まったという知らせもないまま、次の日の深夜、正三は気配を感じて、眼を醒ますが……。
山本周五郎(やまもと・しゅうごろう)
1903〜67年。小説家。山梨の生まれ。本名・清水三十六(さとむ)。名は生まれ年からつけられ、筆名は東京で徒弟として住み込んだ質屋「山本周五郎商店」にちなんだ。20代前半に作家活動を始め、39歳の時『日本婦道記』が直木賞に推されたが受賞辞退。その後も多くの賞を固辞する。江戸の庶民を描いた人情ものから歴史長編まで作品は数多い。代表作には、「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「おさん」「青べか物語」「さぶ」などがある。1987年9月には、「山本周五郎賞」が新潮文芸振興会により設定された。
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