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横山まさみち 電子書籍 ファイトメンNo.9 黒の悲劇

電子書籍 ファイトメンNo.9 黒の悲劇

横山まさみち
パンローリング
ダウンロード販売 KeyringPDF 139頁 10MB 2006年9月発売
本体 1,000円  税込 1,100円
品切れのためご注文いただけません。 (発送可能時期について)

横山プロの三大スター「独眼探偵」「トップ屋 速見耳郎」「ミステリーマン」の3人が総登場するのがこの「ファイトメン」シリーズです。
主演:独眼探偵
ゲストスター:速見耳郎、ミステリーマン

<解説>
昭和30年代末、一般家庭に普及し始まったテレビや書店売りの漫画誌に押され、それまで十代の読者を中心に隆盛を誇った貸本漫画が急速に衰退する。多くの描き手は貸本と運命を共にして消えていったが、一部の売れっ子は大手出版社の雑誌に活躍の場を移すことで生き延びていく。

 横山まさみちもまた一般漫画誌に軸足を移しつつあったが、彼にはそのまま捨ててしまうには惜しい貸本の大ヒットシリーズがあった。それが今回紹介する『あぁ青春』や『ファイトメン』である。『あぁ青春』は昭和38年に第1巻が出て以来、貸本出版社のひばり書房にとってはドル箱といってもいい人気作品だった。

しかし、「本は借りるものではなく書店で買うもの」――という世の中の流れに抗しきれず、ひばり書房は貸本漫画からの撤退を余儀なくされる。『あぁ青春』もシリーズ第5巻を最後に廃刊が決まった。

普通ならこのまま幻の漫画になってしまうところだが、大阪と並ぶ商都の名古屋出身で、当時の漫画家には珍しくビジネス感覚に秀でていた横山まさみちは違った。自ら貸本漫画の出版社を立ち上げて、全国の貸本屋に配本する計画を実行に移したのである。以来、横山プロが編集出版した『あぁ青春』は、昭和42年に第32巻でようやく完結という貸本としては前代未聞の長編シリーズになった。

もう一つの『ファイトメン』シリーズは、横山まさみちが本来得意とするアクション漫画で、やはり『あぁ青春』の場合と同じく、横山プロが貸本出版社から引き継いで自費出版したものである。横山まさみちの貸本漫画には他にも、『独眼探偵』『ミステリマン』『トップ屋稼業』という人気シリーズがあって、『ファイトメン』はそれらのキャラクターを吸収する形で続いた。

最後にマンガショップの読者のために、とっておきの情報を一つ提供したい。横山プロが独自に貸本漫画を出版していた頃のスタッフには、『柔侠伝』シリーズで有名なバロン吉元を筆頭に、小畑しゅんじ、鬼堂譲二(後の谷間夢路)、藤原栄子、左近士諒、荒木伸吾(超大物アニメーター)、たがわ靖之など錚々たるメンバーが揃っていた。『あぁ青春』や『ファイトメン』の制作を通じ、彼らが一流の漫画家として育ったというなら、それだけで横山プロの出版事業は大成功だったのではないだろうか。

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