市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
【冬の怪異談】(3分)
【サンタさん?】(5分)
クリスマスの夜、「サンタさん、部屋に来てるかもしれんよ」と母に言われた幼い兄弟。 子供部屋のある二階に上がろうと見上げると、その奥に背を向けて座っている男がいる。「サンタさん?」、おそるおそる兄弟がそう尋ねると、その男がこちらに顔を向けた。
【年末の巡回】(8分)
郵便局員のKさんは地元の消防団に属している。それは恒例の年末巡回の時のこと。
「待機していてくれ」と言われたKさんが近くの公園でタバコを吸って待っていると、ブランコを漕ぐ音がする。だが周りにブランコはない。しかし音はだんだん大きくなる…。と同時に、背中に悪寒が走った。なぜならそこに…。
【ママの自転車】(9分)
ある大みそかの夜。家の明かりも無い雪が降り積もる田舎の道で、父の帰りを車の中で待つ3人の兄弟がいた。
そこに突然、自転車で姿を現したのは、何年も前に亡くなった母だった…。
【黄色いクツ】(4分)
お正月に故郷に帰ってきた子供たちがお年玉をもらって表に出た。
お向かいの家の塀から、奇妙なものが突き出ているのを見つける。
黄色い靴を履いた、子供の足だ。
【今あった話】(12分)
ある冬の夜。たった一人、オフィスで残業をしていたデザイナーのKさんが、独りの女らしき姿を見る。しかしよく見ていると、それは人のようで人ではない。
衣擦れの音をさせながらパーテーションやデスクをすり抜けながら、それが近づいてくる…。
【怖がらない訳】(11分)
あるマンションに住むAさん。早朝、仕事に行こうと共同廊下に出てエレベーターを待っていると、中学生くらいの少女がいるのを見る。
だがその少女の様子がおかしい。顔が、足が、その衣装が。さらにその少女は不可解な行動を起こした! 身の危険を感じたAさんは、必死に逃げようとするが…。
【気持ちのいい部屋】(22分)
専門学校に通うK子さんにトモミという友人が出来た。だがこのトモミは、あるアパートに引っ越してからというもの学校を休みがちになった。
心配して連絡を取ると「この部屋にいると気持ちがいいの」と言う。その部屋の間取りやドアの位置が微妙におかしいことを知っていたK子さんは、その部屋について調べてみた。するととんでもない事故物件であることがわかった…。
【屍女(しかばねめ)】(28分)
中山自身の体験。中山の元にかかって来た知らない男からの相談。それは「僕の彼女は生きているのか、死んでいるのか、教えてほしい」というものだった。
質問の意味が解らないと問いただすと、男は、亡くなったとされる恋人と毎晩過ごしているという。それは暖かい肉体を持った彼女そのものだと。
しかし男は、彼女の葬儀にも出ており、彼女が生きているのか死んでいるのか、わからなくなったというのだ。中山は、男に依頼され、その真偽を見極める為に女に会いに行くことになる…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
|