市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
電車ごっこ(6分)
とある女性の幼いころの記憶。彼女が独り公園で遊んでいると同じ年頃の男の子二人が「遊ぼうよ」と声をかけて来た。見かけない子だった。
「うん」と返事をして一緒に電車ごっこをしたのだが、これが不思議な体験となる。
姿見(7分)
ある女性が大学近くのマンションを借りた。入居初日。内見の時には無かった姿見がなぜか壁に立てかけてあった。管理人に聞けば「戻って来たんだよ」と言う。
彼女は4年間ここに住んだのだが、この姿見が戻る、という意味をその後知ることとなる。
フランス人形(10分)
その少年はある日、家に見たこともないフランス人形が存在していることに気が付く。しかも、一人で動いているのだ。
家族に言っても「そんなものは無い」と言われる。しかし、入院している祖母の見舞いに行くと、その人形があり…。人形の因縁話とは。
市松人形(7分)
小学生だった頃のKさんは友人たちと、とある廃屋に入ったことがあった。火事で燃えた家屋だったのだが、そこには焼け残った和室に立派なタンスが残っていた。
引き出しを開けて見ると一つの和人形があったのだが…。
バスルーム(4分)
あるOLが自室のバスルームを使っていると、湯船に何かが落ちて来た。
よく見るとそれは…!
その日から彼女はバスルームを使うことに恐怖を抱いてしまった。
しかし、ある日の事…。
家出(11分)
衝動的に家出をした男子中学生3人。行き当たりばったりの自転車移動。夜も遅くなり泊る所も食べるものもない。
すると出会ったある若い女性が自宅に泊めてくれるということに。ついていった3人は翌朝、驚くべき体験をしたことに気がつく。
訪問者(10分)
ある一家が都内のマンションに引っ越した。間もなくして玄関のチャイムが鳴った。まだここの住所は誰にも知らせていないのに。何かの勧誘か?
ところが訪ねた来たソレは、とんでもなく得体の知れないモノだった。
ホントに来た(4分)
「訪問者」を原稿にしていた真夜中の2時。筆者のマンションのチャイムが鳴った。ここから原稿にしようとしている話と現実世界のシンクロが始まった…。
アカ真似(4分)
漫画家のMさんが昼寝をしていると、玄関のチャイムが鳴った。ここから「訪問者」と似た現象が起きるが、この奇妙な訪問者はMさんの妹を名乗るのである。しかしそれは明らかに妹ではなく…。
留守番電話(5分)
淀川沿いにある某会社にアルバイトで採用されたKさん。取引先から妙なことを聞く。
会社の留守番電話のメッセージに妙な声が入り込んでいるというのだ。
ある休みの日、試しにKさんも会社に電話をかけてみた。すると…。
残業(6分)
今は大手の玩具メーカー。以前は2階建てのプレハブが作業場だったという。
その作業場の一階で作業していると誰もいない二階から子供の足音がする。
あるいは毬をつく音がする。しかし行ってみても誰もいない。
ある日残業をしていると…。
衝突事故(9分)
ある保険会社の損保課から出た話である。とある車の衝突事故の報告が上がって来た。
ところがその状況に至る説明が出来ない。そしてドライブレコーダーに記録されている情景も、とても信じることなどできないものであった…。
ミナミの一等地(7分)
大阪ミナミの一等地。雑居ビルのスナック店主が店で首吊りをする事件が起きる。そこからこの部屋では必ず借主が自殺をするという噂がたった。
ある時、それを承知で超破格値で借りた若い女性がいた……。
またつぶれた(7分)
バブルが弾けた頃、一軒のラーメン屋が潰れた。それを見たおじが「またつぶれとる」と呟く。「あそこはもともとスナックだった」と。そしておじはそのスナックが潰れた理由を語りだした…。
付け届け(6分)
ホテルのリニューアル工事に携わったMさん。管理人に付け届けをしていたが、「いつもありがたいけど、なぜいつも一人分多いんだ?」と言われた。
現場で働いている人数だけ持って行ったつもりだったが、そういえば一人、奇妙な作業員がいる。よく見てみると…。
経文(5分)
ビルの地下室工事でのこと。そこは幽霊の目撃情報が多く、そういえばこのあたりから大量のパイプが掘り出され、その中に経文が入っていた。
作業員たちはそれをどんどんと捨てていたのだが…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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