内容紹介
兄の死後、別人のように穏やかになった朝田隼人。正式なはたしあいだが不審な点が残る兄の死をどうとらえたらよいのか。ちくしょう谷に暮らす罪人の子孫たちはずっと人離れした生活を続けなければならないのか。罪と許しに迫る物語。
朝田隼人の兄は江戸で勘定奉行を勤めた。不正な出金をめぐって部下の西沢半四郎とはたしあいの末、帰らぬ人に。兄の死は不当なものだと知りながら、淡々と暮らす隼人。あるとき彼は流人村を支配する山の木戸番を志願する。そこはかつて罪人たちが流されてできた部落で「ちくしょう谷」と呼ばれ、生活も風紀も乱れすさびきっていた。村独特の慣習や人の性質に困惑しながらも、村を何とかしたい思いで勤める。一方、その任務には西沢半四郎もいて——。兄の思いを隼人が代わって全うする。
山本周五郎(やまもと・しゅうごろ)
1903〜67年。小説家。山梨の生まれ。本名・清水三十六(さとむ)。名は生まれ年からつけられ、筆名は東京で徒弟として住み込んだ質屋「山本周五郎商店」にちなんだ。20代前半に作家活動を始め、39歳の時『日本婦道記』が直木賞に推されたが受賞辞退。その後も多くの賞を固辞する。江戸の庶民を描いた人情ものから歴史長編まで作品は数多い。代表作には、「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「おさん」「青べか物語」「さぶ」などがある。1987年9月には、「山本周五郎賞」が新潮文芸振興会により設定された。
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