携帯版 でじじへようこそ。

日本最大級のオーディオブック販売サイト でじじ

はじめての方へ:オーディオブックを聴くには商品の買い方よくあるご質問おトクなマンスリープラン

カーネギー
SPレコード落語特選 初代桂春團治編
夏目漱石名作集
城谷怪談
稲森夜話
昔話日本一
こども落語
山本周五郎
江戸川乱歩
星新一
でじじマンスリープラン 毎月1,500円で、お好きなオーディオブックを2冊ダウンロードできる!

谷崎潤一郎 谷崎潤一郎「恐怖」

[オーディオブック] 谷崎潤一郎「恐怖」

谷崎潤一郎
パンローリング
マンスリープラン対象商品 ダウンロード販売 MP3 30分1ファイル 2021年11月発売
本体 500円  税込 550円

  

マンスリープラン対象商品

サンプル再生ダイジェストでお楽しみいただけます。

-->

内容紹介

私は、ある恐怖に取り憑かれている――。

以前から一度ならず襲われてはいたが、京都の木屋町に宿泊し、
不秩序な生活を送るうちにそれは勢いを増した。
曰く、私の此の病気は、鉄道病と呼ばれる神経病の一種だろうと云う。
鉄道病と云っても、船車の酔とか眩暈とは全く異なった苦悩と恐怖とを感ずるものだ。
汽車に乗り込めば、私の血流は脳天へ向けて奔騰し、冷汗を流し、手足は顫える。
早急に手あてを施さなければ、脳充血をおこして死んでしまうだろう……。

私の此の病気は、汽車へ乗って居るときには限らない。
電車、自動車、劇場――そういった、刺戟の強い運動、色彩、雑踏によっても、突発的に引きおこされる。
私は当分それらを離れ、自然に治癒する迄、東京へは帰れないとあきらめた。

しかし、徴兵検査は受けなければならない。
私は、近場の漁村に籍を移し、検査を受けることにした。
そこならば汽車に乗らずとも電車で事足りるので、東京に戻るよりは増しだと私は喜んだ。

電車ならば大丈夫……。
そう信じて、無理やりに安心しようと努めたが、神経は堪えられなかった。
何度も改札をくぐろうとしたが、その度に足は竦み、動悸は激しくなる……。

あゝ――。
私は今からあのとてつもない恐怖に、死に物狂いで立ち向かわなければならないのだ……。

谷崎潤一郎

1886年(明治19年)東京日本橋で生まれる。家業が傾き、住み込みで書生となり家庭教師をしながら学業に専念。1908年に東京帝国大学国文科に入学。1910年大貫晶川、小泉鉄らと第2次『新思潮』を創刊、『誕生』や『刺青』などを発表。1911年授業料未納のため退学。1915年 石川千代と結婚、1930年離婚。関東大震災後は関西へ移住し『吉野葛』『春琴抄』を発表。 1931年 古川丁未子と結婚、1934年離婚。1935年森田松子と結婚。1959年 右手に麻痺症状が出て、口述筆記にり執筆。1965年79歳で死去。

関連商品


江戸川乱歩 名作コレクション

[著]江戸川乱歩
5,000+税


卍(まんじ)

[著]谷崎 潤一郎
1,000円+税


春琴抄

[著]谷崎 潤一郎
500円+税


刺青

[著]谷崎 潤一郎
500円+税


陰翳礼讃

[著]谷崎 潤一郎
500円+税


吾輩は猫である

[著]夏目漱石
500円+税


高瀬舟

[著]森鴎外
500円+税


高野聖

[著]泉 鏡花
500円+税

本オーディオブックを全部走りながらお聴きいただいたら、約 4 km、240 kcal 消費できます。 ランナー向け情報について

この商品の著者による商品一覧: 谷崎潤一郎

戻るトップページへ