内容紹介
ベオウルフ物語は、古くからイギリスに伝わる伝説が一篇の叙事詩となったもので、英文学史上にある伝説の中でも特に有名なものです。
英雄ベオウルフが、巨人やドラゴンなどと戦う冒険談は、『指輪物語』などの後のファンタジー作品にも大きな影響を与えたと言われています。
物語がいつ作られたかは、5世紀頃とも、8世紀か9世紀頃とも言われ諸説あり、はっきりしていませんが、アングロサクソン語(古英語)の最古の詩篇として、言語学上も珍重されています。
物語は若き英雄ベオウルフが隣国の窮地を救う為に海を渡って駆けつけ、巨人グレンデルと戦うお話と、王となり年老いたベオウルフがドラゴンに戦いを挑む話と大きく2つにわかれており、常に人々の為に戦うベオウルフの勇敢さと正義感は、物語を聴く人の心をも熱くさせるでしょう。
今も輝きの衰えない、波瀾万丈の英雄物語をお楽しみください。
収録しているお話
1_食人鬼グレンデル
2_勇士ベオウルフ
3_ベオウルフとフロトガル王
4_海の勇者
5_ベオウルフの武者震い
6_ベオウルフとグレンデルとの格闘
7_勝利の宴
8_グレンデルの母
9_妖魔とベオウルフ
10_フロトガル王との別れ
11_ベオウルフの帰国
12_新しきゴッス国の王
13_ドラゴンの怒り
14_ベオウルフの覚悟
15_最後の戦い
16_戦いの果てに
17_永遠の眠り
中島孤島(なかじま・ことう)
1978年-1946年
小説家、評論家、翻訳家。長野県出身。1899年東京専門学校(現早稲田大学)卒業。
「明星」「新小説」にて文学評論を執筆。「新小説」では「海外文壇」欄を担当した。1904年(明治37年)に小説「新気運」を発表。1909年(明治42年)、後藤宙外らと文芸革新会を組織して反自然主義をとなえるが、その後は児童のための海外作品の翻訳に専念した。本名は茂一。
翻訳作品は、沙翁物語 シェークスピア 冨山房 、グリム御伽噺 冨山房、変な家鴨 アンデルゼン 世界童話名作集 精華書院、千一夜物語 大日本雄弁会、ホメロスのイリアド 児童図書館叢書 イデア書院、神話伝説大系 エジプト・アツシリア・バビロン神話伝説集 誠文堂、神話伝説大系 イギリス神話と伝説 趣味の教育普及会 など。
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