内容紹介
漢字一つ一つが持つ個性的な形と意味、それらの組み合わせからさまざまにひろがってゆく境地が幻想的でもあり、夢のようでもある「ファンタスティック」な漢詩。
時代背景や作者の境遇を交えた色彩豊かな漢詩の魅力に溢れる講義です。
漢詩は和歌や俳句とともに、永く日本人に親しまれて来た文学形式ですが、漢字ばかりで作られるため、気おくれしてしまう人もおられるようです。
が、そのいかめしい外見から一歩中に入ってみると、まことに多彩で魅力ある世界が現れて来ます。
それは或る種の果物に似ています。西瓜(スイカ)の、あの固い緑色の外皮の中には赤くジューシーな果肉が、また荔枝(ライチ)の、あの固いトゲだらけの、茶色の外皮の中には、丸くて白く、甘い果肉が包まれています。
このシリーズは、漢詩のそのような果実をなるべくわかりやすくお伝えするもので、名作の数々を、時代背景や作者の境遇と合わせてお話ししてゆきます。
漢字一つ一つが持つ個性的な形と意味、それらの組み合わせからさまざまにひろがってゆく境地は、まさしくファンタステイック!と言えるでしょう。
収録内容
第一回 大志ありて
第二回 洛陽から長安へ
第三回 長安にて
第四回 帝都震撼
第五回 軟禁の日々
第六回 動乱の中で
第七回 波乱はつづく
第八回 華州にて
第九回 世相に触れて
第十回 出征兵士の妻
第十一回 小さき者たちへ
第十二回 貧窮の中で
第十三回 同谷から成都へ
第十四回 つかの間の安らぎ
第十五回 折々の感慨
第十六回 悲喜こもごも
第十七回 蜀よ さらば
第十八回 夔州の民心と風土
第十九回 古跡めぐりと隣人愛と
第二十回 流浪の果てに
特典ダウンロード
ご購入のお客様への特典として、
各回の収録作品を掲載したミニブック(PDFデータ)
が付属しています。
※商品版の音声と一緒にダウンロードいただけます。
収録作品一覧
望岳
画鷹
夜宴左氏荘
房兵曹胡馬詩
飲中八仙歌
贈李白
春日憶李白
貧交行
陪諸貴公子丈八溝携妓納涼晩際遇雨 二首 其一
陪諸貴公子丈八溝携妓納涼晩際遇雨 二首 其二
兵車行
月夜
対雪
春望
遣興
玉華宮
羌村 三首 其一
羌村 三首 其二
羌村 三首 其三
春宿左省
曲江 二首 其一
曲江 二首 其二
早秋苦熱堆案相仍
贈衛八処士
得舎弟消息
所思
石壕吏
新婚別
秦州雑詩 二十首
促織
蛍火
空囊
夢李白
秋日阮隠居致薤三十束
乾元中寓居同谷県作歌 七首
卜居 二首
蜀相
狂夫
江村
客至
春夜喜雨
江上値水如海聊短述
江亭
茅屋為秋風所破歌 第一段
茅屋為秋風所破歌 第二段
茅屋為秋風所破歌 第三段
百憂集行
聞官軍収河南河北
絶句二首 其一
絶句二首 其二
去蜀
旅夜書懐
負薪行 七言古詩
最能行 七言古詩
秋興 八首
詠懐古跡 五首 其二
詠懐古跡 五首 其三
又呈呉郎
登高
登岳陽楼
宿白沙駅
江南逢李亀年
小寒食舟中作
講師:宇野直人(うの・なおと)
昭和二十九年、東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士。現在、共立女子大学国際学部教授。著書に『中国古典詩歌の手法と言語』(研文出版)『漢詩の歴史』(東方出版)『漢詩の事典』(共著、大修館書店)など。平成十九年、NHKラジオ「古典講読――漢詩」講師、平成二十年より同「漢詩をよむ」講師。
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