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高梨敬一郎/こう書房 社会人として必要な「聞く力・話す力」の高め方

[オーディオブック] 社会人として必要な「聞く力・話す力」の高め方

高梨敬一郎, こう書房
パンローリング
マンスリープラン対象商品 ダウンロード販売 MP3 約262分 16ファイル 倍速付き 151MB 2008年4月発売
本体 1,239円  税込 1,362円

  

マンスリープラン対象商品

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目次

序 章 社会人としての会話能力を身につけるために
第1章 論理力を高める
第2章 表現力を高める
第3章 理解力を高める
第4章 対応力を高める

内容紹介

■「序 章 社会人としての会話能力を身につけるために」より

パブリックスピーキングに必要な「会話4力」とは

会話の上達法には様々な考えがあると思いますが、ここでは「論理力」「表現力」「理解力」「対応力」の4つの力をつける方法をご紹介しようと思います。

論理力は、思いつくままにダラダラ話すのではなく、目的を持ってこちらが言いたいことを伝えるための準備として必要な力です。私たちは話をするとき、とりあえず話し始めてみて、結論を探しながら話すことが多いものです。ここでいう論理力とは、何を言いたいか(=結論)を明確にし、その結論を聞き手に理解してもらうためにはどのような脈絡で話したらいいかを考える力です。

表現力は、文字どおり、こちらの思い、考え、意見、感想などを的確に伝えるために求められる力です。説得力といってもいいでしょう。同じ内容を話しても、人によって説得力は違うものです。言葉の選択や話の展開のうまさで説得力が増しますし、表情、身振り、手振りも聞き手を引きつける要素になります。

理解力は、聴く力と言い換えてもいいでしょう。雑念を入れず、人の話を十分聴ける力です。私たちが話す相手は、話が上手な人ばかりではありません。相手が何を言いたいかを聞き取るためには、集中力が要求されます。その集中力をつけるためにどうしたらよいか考えます。

対応力は、相手からの返答に対して適切に返答する力です。複数の人が会話を交わすからにはお互いが何かを得なければ、無駄になってしまいます。相手の話が理解できても的確に反応しなければ、会話はそれで終わってしまいます。対応力は、会話を盛り上げる能力といってもいいでしょう。

論理力、表現力、理解力、対応力が連関し合い、お互いを高め合っていくのが、すばらしい会話といえるのではないでしょうか。

■「第1章 論理力を高める」より

自己紹介を行い、まず自分の論理力を計る

■ パブリックスピーキングの基本

これから1分間の自己紹介をしてもらいます。

新入社員として、先輩たちの前で自己紹介する場面を想定してください。まず、話す内容を頭のなかで整理しましょう。準備ができたら、時計を持って自己紹介を始めてください。録音しておくのもいいでしょう。

1分は短いようでけっこう長く感じるでしょう。まずは1分間話せたかどうかです。30秒くらいで話すことがなくなったりしませんでしたか。もし1分間話せなかったら、もう一度準備からやり直して、1分という時間に慣れてください。個人差はありますが、1分で話せる字数はだいたい350字です。これを目安にしてください。次に内容です。

「山田太郎です。K大学の出身です。経営学部ですが、経営学はあまり好きではありませんでした。野球部に所属していました。センターで5番を打っていました。趣味は音楽を聴くことで、好きなのはビーズ(B"z)です。家は大阪の堺市で、会社まで南海電車と地下鉄で来ます。よろしくお願いします」

このような具合ではありませんでしたか。これであなたがどういう人かわかってもらえたでしょうか。あなたを取り巻いていることはわかりました。でも、自己紹介の目的は「自分はこんな人間だ」と売り込むことではないでしょうか。この自己紹介では、あなたがどのような考えを持ち、どんな思いで仕事に就こうとしているのかがわかりません。

自分を売り込むためには、何を話したらいいか考えてみてください。あれもこれも話したら、聴く人は何を聴いたらいいのでしょう。印象が散漫になってしまいます。

このような改まった場で話すことを、パブリックスピーキングといいます。こういう場では、日常のおしゃべりとは違う話し方で話さなければなりません。パブリックスピーキングを整理してみますと、次のようになります。

「1.少し改まった場で、2.限られた時間のなかで、3.1つのテーマにしぼって、4.整理された内容を、5.聴き手に正しく伝わるように、話すこと」となります。漫然と話していてできることではありません。訓練が必要なのです。

■ 筋の通った自己紹介

パブリックスピーキングとしての論理的な自己紹介というと難しそうですね。話の筋の通った自己紹介と言い換えてもいいのです。短い時間のなかでは、あれもこれも多くの要素を筋を通して話すことはできません。1つのことについて話せばいいのです。

山田太郎さんの自己紹介で考えてみましょう。彼が発言した要素は、出身大学、学部、経営学は好きではなかった、野球部でセンターで5番だった、趣味、自宅、通勤経路です。これらのたくさんの要素から、自分をわかってもらうために、もっともいいと思うもの1つにテーマをしぼります。野球部をテーマにして話してみましょう。

「山田太郎です。学生時代野球部でした。センターで5番を打っていました。高校から野球をやっていたので、何の抵抗もなく野球部に入ったのですが、大学のレベルは思ったより高くてはじめは球拾いばかりでした。やめてしまおうかと思ったことは何度もありましたが、ちょっとしたきっかけで続けることができました。それは家に帰ってから毎日500回の素振りをすることでした。どんなに疲れていても続けました。2年の終わりごろからバッティングがよくなってきて、3年でレギュラーになりました。4年のときのリーグ戦はクリーンナップが打てるようになりました。2部リーグでしたが、春の大会で優勝することができました。努力をして本当によかったと思っています。会社でどこまでできるか少し不安ですが、この経験を生かして人一倍の努力をするつもりです。どうぞよろしくお願いします」

これがおよそ1分で話せる長さです。けっこう話せるものですね。このように話せば、テーマはしぼられていますし、筋が通っています。そして何よりも山田太郎さんがどんな思いでどのようなことをしてきた人なのかよくわかりますね。このような話ができる力を論理力といいます。この程度の自己紹介ができれば、あなたはかなりの論理力がついたことになります。

自分のことを詳しく話すのは恥ずかしいと思っている人も少なくないと思います。決してそのようなことはありません。自分のことを他人に知ってもらうためには、自分の体験を語るしかないのです。勇気を持って自分を語ってください。

※本商品は「社会人として必要な「聞く力・話す力」の高め方」(こう書房刊 高梨敬一郎著 ISBN:4-7696-0803-9 224頁 1,260円(税込))をオーディオ化したものです。

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