内容紹介
本シリーズは、AI音声を活用して制作した安眠朗読作品です。 収録内容森を渡る小さな灯火夜が、森の表面にそっと降りてきます。 音はすべて小さくなり、輪郭のあるものは輪郭を手放し、やわらかな影だけが残ります。 あなたの呼吸も、ここに重なります。吸って、吐いて。吸って、吐いて。 息は長く、浅く。肩の力は、少しずつ、ほどけていきます。 遠いところで、葉が触れるかすかな音。 風は、ささやくことを、まだためらっています。 森の入口で、足もとに集まる暗がりが、静かに座っている。 そこへ、ひとつの小さな灯りが、ふと、灯ります。 それは手のひらよりも小さく、心音よりも静かで、まばたきほどの明るさ。 灯火は、あなたに気づくように、そっと揺れます。 近づいて、遠のいて、また近づき、あなたのまぶたに、ひとかけらの光を落とします。 今夜、灯火は森を渡ります。あなたを眠りへ導くために。 息をもう一度、ゆっくりと。吐く息に合わせて、肩を緩めます。 灯火は、どこから来たのか、誰も知りません。 風から生まれたのかもしれません。 あるいは、苔むした幹の奥に眠っていた夢が、薄く光になったのかもしれません。 灯火は理由を持たず、ただそこにあります。 理由がないから、軽く。軽いから、遠くまで行ける。 それは、小径の上に浮かび、あなたの足音を待たずに、やわらかく先へ進みます。 足もとの土は、昼の温度を少しだけ抱きしめて、夜の冷たさに溶かしていきます。 葉と葉の間に余白が生まれ、空は深い紺の器になって、星の粉を受けとめます。 灯火は、器の底の、細い光の川。 ときどき、ゆらりと漂い、また静かに戻る。そのたびに、あなたのまぶたも、重さを少し増します。 呼吸が、さきほどより長くなります。 吸って、吐いて。吐く息を、すこし長く。静かに。(冒頭より) |
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