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内容紹介

後期ウィトゲンシュタインの代表作「哲学探究」をわかりやすく読み解く第二弾。

私的言語とは何か…。
ウィトゲンシュタインがその考えを改め、哲学に復帰してからの思索の結晶である。

この本は、タイトルを見ればわかるように『ウィトゲンシュタイン『哲学探究』入門』の続編だ。ウィトゲンシュタインとは、卒業論文以来のつきあいだから、もう四十年以上読み続けていることになる。今回も執筆しているときに、この哲学者のことが、やっぱり好きなんだなぁと改めて思った。
どんなところが好きかというと、「政治的ではない」ところと「感情的」なところだと思う。この人は、それこそ「忖度」などとは、最も遠いところにいて、いわゆる政治的な振舞は一切しない。それに、自分の怒りや愛情を隠したりも絶対にしない。ものすごく緻密な頭脳を持ってはいるけれども、それ以上に情熱の量が桁外れだ。〜はじめにより

収録内容

はじめに

第1章 理解すると読む
1 意思疎通の可能性（第143節）
2 理解する（第146節、第148節〜第151節）
3 理解という現象（第153節〜第155節）
4 「読む」という語（第156節）
5 語の文法（第109節、第158節、第371節、第435節、第496節）
6 導き出す（第86節、第161節〜第164節）
7 恣意的必然（第165節、第167節、第171節）
◎「本物の持続」について（『断片』より）

第2章 規則にしたがう
1 数列の規則（第185節〜第187節）
2 思う（第188節〜第190節）
3 語の適用（第191節、第192節、第197節）
4 規則にしたがう（第199節、第201節、第202節）

第3章 私的な言語
1 感覚E（第259節〜第261節）
2 私的な領域について（第265節）
3 私的言語（第268節、第269節、第271節、第272節）
4 二つの側面のある語（第273節、第274節）
5 装置としての言語（第275節、第277節〜第279節）
◎column AIとウィトゲンシュタイン

第4章 痛みについて
1 内側と外側（第281節）
2 生き物や物の痛み（第283節）
3 振舞と痛み（第284節）
4 異なる言語ゲーム（第286節、第289節、第290節）
5 かぶと虫（第293節）
6 他人の「痛み」と自分の「痛み」（第302節、第304節）
7 文法によるフィクション（第307節、第308節）
8 ハエ取り壷の出口（第309節）
9 痛みの表出の背後にある何か（第310節）
10 私的な領域（第304節、第311節、第312節）
11 経験と語の理解（第313節〜第315節）

第5章 考えるということ
1 語の使用（第316節）
2 思考の道具立て（第317節）
3 考えの速さ（第318節、第319節）
4 突然理解する（第321節、第322節）
5 言語は思考の乗り物（第327節〜第329節）
6 思考と言語は分離できるか（第330節、第331節）
7 心的プロセスを随伴させる（第332節）
8 納得と発言（第333節）
9 「つもり」や「思い」（第334節）
10 表現が先か（第335節）
11 純粋な文（第336節）

あとがき

著者紹介

中村 昇（なかむら のぼる）
1958年、長崎県生まれ。中央大学文学部教授。中央大学大学院文学研究科博士課程修了。哲学専攻

※本商品は『続・ウィトゲンシュタイン『哲学探究』入門[教育評論社刊 中村昇 著 ISBN：9784866240428 336頁 1900円(税別)]をオーディオ化したものです。

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