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夏目漱石 夏目漱石「門」

[オーディオブックCD] 夏目漱石「門」

夏目漱石
パンローリング
CD 10枚 約565分 2012年2月発売
本体 3,000円  税込 3,300円  国内送料無料です。
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内容紹介

「彼は門を通る人ではなかった。また門を通らないで
済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に
立ちすくんで日の暮れるのを待つべき不幸な人であった」

『門』は明治43年(1910年)に発表された夏目漱石の長編小説であり、
『三四郎』『それから』に続く前期三部作の締めくくりとなる作品である。


『それから』のその後の展開であり、社会の片隅でひっそりと
暮らす過去に傷を持つ夫婦の苦悩、悲哀がテーマとして描かれている。


平穏な日常を仲睦まじく淡々と重ねる夫婦の生活と、その奥に
秘められた暗い過去の罪悪感と不安の日々。親友であった安井を
裏切って、彼の内縁の妻であった御米を奪い結婚した宗助。
「山の中にいる心を抱いて、都会に住んでいた」とあるように、
彼らはその罪悪感ゆえ、社会から切り離された二人だけの世界に
こもり続けていた。しかしある時、思いがけず知ることになった
かつての親友、安井の消息に宗助の心は激しく乱れてしまう。
恐怖、そして蘇ってくる重い罪の心。悩み苦しむ宗助は、心の動揺や
不安から逃れたい一心で、妻の御米に内緒で禅寺の「門」をくぐる。
しかしそこには解答も救済もなかった…。

過去の罪から逃れる術はあるのか? 救いはあるのか?
希望も絶望もない、どうにもならない…。
それでも生きていかねばならない、生きていくことの痛みとは…?
静かに心に染みる味わい深い夏目漱石の名作です。
この『門』の連載終了後、漱石は胃潰瘍のため入院することになる。
血を吐いて倒れ、生死の境をさまよう。いわゆる“修善寺の大患”である。

夏目漱石(なつめ・そうせき)

日本の小説家、評論家、英文学者。森鴎外と並ぶ明治・大正時代の文豪である。1867年(慶応3)江戸牛込馬場下横町(現在の東京都新宿区喜久井町)に生まれる。本名は夏目金之助。東京帝国大学英文科卒業後、東京高等師範学校、松山中学、熊本第五高等学校などの教師生活を経て、1900年、イギリスに留学。帰国後、第一高等学校、東京帝国大学の講師を務める。1905年、処女作『吾輩は猫である』を発表。翌年『坊っちゃん』『草枕』を発表。1907年、教職を辞し、朝日新聞社に入社。以後、朝日新聞に『虞美人草』『三四郎』『それから』『門』『彼岸過迄』『行人』『こころ』『道草』などを連載するが、1916年(大正5)12月9日、『明暗』の連載途中に胃潰瘍で永眠。享年50歳。

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