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旭堂南湖 講談 現代怪異譚 十

[オーディオブック] 講談 現代怪異譚 十

旭堂南湖
パンローリング
マンスリープラン対象商品 ダウンロード販売 MP3 119分 15ファイル 2023年7月発売
本体 1,600円  税込 1,760円
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マンスリープラン対象商品

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上方講談 現代怪談の世界

近年、注目を浴びている、日本の伝統話芸「講談」。
「冬は義士 夏はおばけで飯を喰い」と川柳に詠まれたほど、 講談師は夏になると怪談を語ってきている。

クーラーのなかった時代、観客は講談師の語る世界に身をゆだね、 背筋を凍らせ、暑い夏を忘れた。

講談師の旭堂南湖が贈る現代怪談。
故きを温ねて新しきを知る。
名調子で語る「現代の怪談」ここにあり。

内容紹介

1「蛸1 蛸の夢」(9分)
蛸シリーズと申しましょうか。蛸にまつわる不思議な話が、いくつか集まりましたので、ここにご紹介します。Aさん、30代の女性から聞いた話です。
Aさんは一人暮らし。ある晩、こんな夢を見た。Aさんは海の中にいる。透明感のある、光り輝く、海。魚があちこちに泳いでいる。Aさんは別に泳いでいるわけではない。立った姿勢で、海中に浮かんでいる。呼吸できないはずなのに、息苦しくもない。穏やかな気持で、海の中に立っている。すると、右側から、蛸が一匹、スイーッと泳いできた…。

2「蛸2 蛸になる」(8分)
Cさん、40代の女性で一人暮らしをしている。ある日のこと。彼女は自宅のマンションで、のんびりとお風呂に浸かっていた。入浴剤を入れたから、乳白色に染まっている。ぬるめのお湯に、半身、ゆっくりと浸かって、じんわりと汗が出てきた。Cさんの白い肌はピンク色になった。お湯からつま先を出して、バスタブのヘリに乗せた。あれ? 右のつま先が、赤くなっている。くるぶしから下だけが、まるで赤色の靴下を履いたかのように色が変わっている…。

3「蛸3 歩く蛸」(4分)
80代の女性、Sさん。もう50年以上昔のこと。当時Sさんは主婦で、暑い夏の日、つばの広い麦わら帽子をかぶって、近所のスーパーに買物に行った。カンカン照りの日差しの中、アスファルトの道は熱気でもやが出ているように見え、太陽のまばゆい光、道を歩くだけで汗が吹き出てきた。
すると、前方からヌルヌルとゆっくりこちらに向かって移動してくるものがある。幼稚園児ぐらいの背丈だ。子供じゃない。蛸だ。あれは蛸だ。道路を歩いている蛸だ…。

4「蛸4 宇宙人の蛸」(6分)
Oさん、60代の男性です。Oさんが子供の頃、宇宙人といえば、蛸のような形をしていた。長い頭があり、その頭の下にぎょろりとした目玉があり、長い脚で立ち上がっている姿。どちらかといえば滑稽だ。こんな姿の宇宙人がいるとは思えないが、子供の頃は、ひょっとしたらいるんじゃないかと思っていた。ノートの隅に、いたずら書きで、タコの形の宇宙人を描いたりしていた…。

5「蛸5 吸盤」(9分)
Mさん、20代の女性です。ある冬の日のこと。彼女は実家で母親と二人暮らし。
会社から帰ってくると、母親が風呂を沸かしてくれていたので、服を脱いで、お風呂へ。風呂場には、洗い場とバスタブ。それほど大きくはないが、いつもリラックスできる。ハーブの香りがする入浴剤を入れた。湯船が薄緑色に染まる。シャワーを浴びてから、お風呂に浸かる。いい匂い。体を軽くマッサージする。ゆっくり浸かったので、そろそろ、右手にある洗い場に移動してようとして、左足に違和感を感じだ…。

6「蛸6 タピオカ」(9分)
これは蛸シリーズに入れていいのか、どうか、ちょっと迷いましたが。
20代のOLで、Eさん。梅雨が明け、カラッとした夏空が広がる七月のある日のこと。会社が終わってから、友達と久しぶりに飲みに行った。やがて電車に乗って自宅の最寄駅に降りたときには、11時を回っていた。家まで歩いて十分ほど。駅前にはコンビニや、お店があるので明るいが、しばらく歩くと街頭も少なくなり暗い道になる。慣れた道だし、治安もいいので、別段怖くもない。五分ほど歩いて、ふと立ち止まり空を見上げた…。

7「蛸7 水族館」(7分)
Nさん、30代の男性です。10年ほど前のこと、彼女と初めてのデートで水族館へ行った。彼女はイルカが好きで、イルカの水槽の前で大喜び。大きな水槽の中を、イルカがスピードを上げて、泳いでいる。イルカの水槽を、上から、横から、下から、色んなところから見ることができた。彼女は熱心にイルカを見ていた。Nさんも、そんな彼女を微笑ましく見ていた。すると、どういうわけか、イルカが交尾を始めたので、二人は顔を赤らめながら、別の水槽へ移動した…。

8「キャンプ」(5分)
M君、30代、会社員の男性です。キャンプが好きで、休みの日には、車にキャンプ道具を積んで、ソロキャンプに出かける。
初めてやってきたキャンプ場。空いていた。テントサイトに一人用の小さなテントを張る。慣れているし簡単だ。お湯を沸かして、カップラーメンを食べる。野外で食べるカップラーメンはなんでこんなに美味しいのだろう。やがて、陽が沈んでくる。この瞬間が好きだ。焚き火の炎がチラチラ動いている…。

9「城跡」(5分)
兵庫県朝来市に竹田城があります。虎が伏せているような形をしているから、虎伏城とも申します。標高が約357メートル。室町時代に作られた城で、戦国時代には、太閤秀吉の弟、羽柴秀長が、攻め落としたと伝わっている。やがて、江戸時代には、廃城となった。
現在は、秋の天気のよい日に、雲海に浮かぶ、天空の城として、観光客に人気で、日本のマチュピチュとも呼ばれている。60代の男性で、Bさん。趣味は登山と山の風景写真を撮ること。暗いうちから起き出して、車で竹田城に向かった…。

10「爪切り」(9分)
30代の男性でTさん。会社員です。出張で、今日はホテルに泊まる。数日前から、右手の親指が気になっていたというのは、爪の端にある、小爪。ささくれができて、チクチクと痛む。これは爪切りで切らないとなんともならない。
フロントに言うと、爪切りを貸してくれた。シルバーのきれいな爪切り。いい爪切りだ。右手の小爪を切ろうとして、右利きなので、左手で持った、爪切りに力が入らない。ささくれているところへ刃先を当てて切ろうとしたが、ちょっとズレて皮膚を切ってしまった。痛い…。

11「ハイボール」(7分)
Iさん、20代後半のとても可愛らしい女性です。Iさんが「南湖さん。これは怪談と言えないとは思うのです。でもね、ちょっと不思議な話なんです」と語りだしたのは、去年の8月のこと…。

12「桐の小箱」(11分)
Dさん、30代後半の男性です。子供の頃、風邪一つ引いたことがなくて、五年生までは無遅刻無欠席。健康優良児だった。それが、どういう訳か体調が悪くなりだしたのが五年生の秋。運動会。当時、借り物競争というのがあった…。

13「燕」(9分)
Rさん、30半ばの男性、会社員です。じめじめとした雨が降り続く、梅雨のある日、スマホに着信があった。音が出ないようにしており、気付かなかったが、三度の着信。すべて実家からだ。なんだか、嫌な予感がした。
折返し電話してみると、近所に住んでいた、幼馴染O君が自殺したとのこと。明日お通夜、明後日が葬儀だという。Oとは家が近所で、小学校でも中学校でも同じクラスになることが多く、しょっちゅう遊んでいた…。

14「立っている幽霊」(12分)
あらかじめ申し上げますが、ちょっと変わった話です。好きな人は笑って頂けるかもわかりませんが、嫌いな方は怒り出すかもわかりません。どうか寛容な気持ちで、聞いて頂けましたら、幸いです。洋子さん、30代の女性です。彼女が大学に通っていた頃のお話。大学の敷地の奥にため池があった。濁っていて汚い。その近くにサークルの部室が並んでいて、部室の隅に、幽霊が立っているという噂があった…。

15「雀 」(7分)
Eさん、30代の男性です。小学生の頃、学校の校庭で雀が一羽死んでいた。Eさんが見つけたのか、あるいは友達が見つけたのか、今でははっきりと覚えていない。当時、担任の先生に見せると、埋めて標本を作ってみようということになりました。そこで、先生が教えてくれたのは、ビニール袋の中に、雀と土を一緒に入れる。ビニール袋には穴を開ける。これを土の中に埋めると、バクテリアが分解して、雀の骨だけが残る…。

旭堂 南湖(きょくどう なんこ) プロフィール

講談師。
1973年生まれ。
滋賀県出身。
大阪芸術大学大学院修士課程卒業。

1999年、三代目旭堂南陵(無形文化財保持者・2005年死去)に入門。
2003年、大阪舞台芸術新人賞受賞。
2010年、文化庁芸術祭新人賞受賞。
2015年、『映画 講談・難波戦記-真田幸村 紅蓮の猛将-』全国ロードショー。主演作品。
2019年、CD「上方講談シリーズ4 旭堂南湖」発売。「血染の太鼓 広島商業と作新学院」「太閤記より 明智光秀の奮戦」収録。

OKOWA胎動出場
怪談グランプリ2019出場
怪談最恐戦2019ファイナル出場
東大阪てのひら怪談優秀賞受賞

ZOOMを使った「オンライン講談教室」も好評。
講談や怪談の語り方をマン・ツー・マンで懇切丁寧に指導し、普及に努めている。

講談師・旭堂南湖公式サイト https://nanko.amebaownd.com/
Twitter http://twitter.com/nanko_kyokudou

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