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中島敦 中島敦全集 一

[オーディオブック] 中島敦全集 一

中島敦
パンローリング
ダウンロード販売 MP3 633分 38ファイル 2018年6月発売
本体 3,000円  税込 3,300円
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サンプル再生3から10分程度無料で試聴できます。

オーディオブック(音声ブック) を聴くには? | CD版

内容紹介

一切無駄のない、整えられた美しい文体が特徴の中島敦。

彼の作品は、漢文調の格調高い端正な文体とユーモラスに語る独特の文体とが巧みに使い分けられています。

学生の頃に「山月記」を読まれた方も多いのではないでしょうか。人が虎になってしまうという伝奇的な物語が、重厚な文体に不思議なリアリティを伴って描かれている様は、今も沢山の読者を引き付けて離しません。

また、『弟子』『李陵』といった作品に描かれている人間観や世界観、そして格調高く美しい文章を、呻吟しながら書いたのではなく、渾々と湧き出るように書いたところに、彼の天才作家としての真骨頂があるではないでしょうか。

この度、中島敦全集が、満を持してオーディオブックに登場です。代表作以外にも隠れた傑作が数多く収録されています。通勤や移動の合間にも、文学史上に輝く綺羅星のような作品に触れられる当オーディオブックは、きっと感性にも豊かに響く、意義深い時間を届けてくれることでしょう。

「狐憑」
ネウリ部落の男シャクは、北方のウグリ族の襲撃で弟を失って以来、憑きものがついたという噂である。獣や鳥や魚の霊に憑りつかれたシャクは鳥獣の目で見た光景を、表情豊かに物語るのだ。部落の人々はシャクの語る物語に魅了された。
いつの間にか人々はシャクの語る物語を求めて、毎日のようにシャクの元を訪れるようになり、「語ること」はいつの間にかシャクの仕事のようになっていった。しかし、次第にシャクは狩猟や狩り、馬の世話や木の伐採といった村の仕事をしなくなっていった。部族の人々と長老は、そんなシャクに不満を抱くようになっていった。
冬を越えた頃、突然シャクは物語を語ることが出来なくなってしまう。話も出来ず、仕事もしないシャクに人々の目は冷たくなっていく……

「光と風と夢」
1884年5月のある夜遅く、35歳のロバート・ルイス・スティーブンソンは、南仏イエールの客舎で、突然酷い喀血に襲われた。
それ以来、彼は健康に過ごせる土地を求めて転々としなければならなくなり、1889年の終わりにはサモアにやって来た。ひとまずは土地の風土も合って体調も落ち着き、翌年二月にはシドニーまで出掛けて、そこで便船を待ち合わせて一旦英国に帰ろうとしたのである。
しかし、彼は英国にいる友人にこのような手紙を書かねばならなかった。
「……実をいえば、私は、最早一度しか英国に帰ることはないだろうと思っている。そして其の一度とは、死ぬ時であろう……」
彼はサモアでの生活を日記に記し、療養の日々を過ごすのだったが……

収録作品

山月記

文字禍

虎狩

斗南先生

狐憑

木乃伊

光と風と夢

中島敦(なかじま・あつし)

昭和時代前期の小説家。1909年東京生れ。東大国文科卒。祖父は漢学者中島撫山、伯父にも漢学者が多く、父は中学の漢文教師。1933年横浜高等女学校の教師となり、かたわら作家を志して習作にはげんだ。持病の喘息悪化のため、転地療養を兼ねて41年パラオの南洋庁に赴任する。唐代の伝奇「人虎伝」を素材にした「山月記」が深田久弥の推挽で42年2月の「文学界」に掲載されて文壇にデビュー。同年5月発表の《光と風と夢》も好評で以後創作に専念。パラオ南洋庁書記の職を辞して作家生活に入ろうとしたが、同年12月持病の喘息のために夭折した。代表作に「李陵(りりょう)」「弟子」「光と風と夢」など。

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