馬場精子 KO・TO・BA vol.1 豊麗と気韻 宮澤賢治をよむ

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馬場精子が宮沢賢治の世界を、富樫春生のピアノとともにお届けします 宮澤賢治 作 「やまなし」「注文の多い料理店」「よだかの星」 馬場精子（朗読）/富樫春生（ピアノ） 豊麗と気韻 朗読者 馬場精子のこと あれはいつのことだったろう、馬場精子が太宰治の「きりぎりす」を朗読する、その声に惚れたのは。最初はライブではなく、彼女のホームページから聴いた録音であったが、その後、さまざまな場所で直接、彼女が朗読するのを聴く機会に恵まれた。その朗読は、声量はあるが響きうるさからず、情調ゆたかだが芝居っぽくなく、おそろしく艶やかな熟女なのか、それとも可憐で内気な少女なのかー本性を聴き分けるのがむつかしい。それにしても、その朗読のなんという若々しさであろう。 このCDには宮沢賢治の「やまなし」「注文の多い料理店」「よだかの星」が収められているのだけれど、馬場精子は樋口一葉、中原中也、芥川龍之介、太宰治、新美南吉など、近代日本文学の作品を好んで朗読の対象に選ぶ。それは、どこかボンヤリで、引っ込み思案で、社交べたで、浮世離れしたような彼女の浪漫精神が、そうさせるのにちがいない。 くちびると喉ぼとけとのあいだから、発声の技を器用に引き出しているのではない。馬場精子の朗読の声は、肺腑の奥底から産まれて、力を蓄え、あの豊麗な笑顔にくるまれて、気品のある韻律となり、ふかい息となって口腔から出てくる。天性の朗読者といってよい。（抜粋） 上村 武男（作家） プロフィール 馬場精子 京都放送劇団に研究生として入団後、府民ホールアルティこけら落し主演が初舞台。以後、劇団公演ではさまざまな放送劇に出演する。独演会をはじめ朗読公演では近代日本文学から現代の作品まで、手掛けた作品は多岐にわたる。 コンサートやディナーショーで、ピアノ、ヴァイオリン、邦楽やアイリッシュ音楽など多数コラボレーション。 宇治市源氏物語ミュージアムでは「源氏物語」原文を復元音（平安時代の発音・アクセント）により朗読。歴史番組では、奈良時代の復元音で万葉集を朗詠。 精選「春の語り芸2009」（主催：上方芸能）に出演。2012年〜14年、梅花女子大学チャペルアワー講師。 『お話しPod&ラジオデイズ朗読賞2007』「特別賞」受賞。2012年文部科学省後援、日本朗読検定協会主催『第4回青空文庫朗読コンテスト』「金賞」受賞。「上方芸能・関西朗読家名鑑」掲載。一般社団法人 日本朗読検定協会認定プロフェッサー。「馬場精子朗読教室」講師。Atelier Seiko 代表。 富樫春生 3歳よりピアノを始める。 大学卒業後杉本喜代志クインテットでプロデビュー。 又同時にスタジオで山口百恵、松田聖子らから今井美樹、SMAPまで録音に携わった楽曲は優に1万曲を越える。 吉田美奈子や後藤次利バンドを経て85年に近藤等則IMAに参加。 約10年間海外20数カ国で定期的に演奏。 82年にCBSソニーよりソロアルバムをリリースしてから既に35枚のアルバムをリリース。2000年科学技術省の映像祭でピアノを弾いた『草間の宇宙/栗林慧』が内閣総理大臣賞受賞。

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