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聖夜が終わるときヘザー・グレアム, 宮崎真紀ハーレクイン ダウンロード販売 XMDF (XMDF とは?) 1MB 2008年12月発売 787円 (税込)
著者プロフィール ヘザー・グレアム(Heather Graham) 新作を出すたびニューヨークタイムズをはじめ数々のベストセラーリストに顔を出す人気作家。作品は15カ国語に訳され、発行部数は世界中で2000万部を超える。フロリダで生まれ育ち、大学では舞台芸術を専攻した。卒業してからは女優やモデルなどの職業を経験し、第三子出産後に執筆を始める。受賞歴も豊富で、テレビのトークショーに出演したり、雑誌で取り上げられたりするなど実力と人気を兼ね備えている。 解説 クリスマス・イブの吹雪の夜。オボイル家が穏やかな団欒のひとときを過ごしていると、チャイムの音が鳴り響いた。偶然、二階の部屋にいたキャットは、家族が見知らぬ二人の男を招き入れるのを階上から眺めていた。彼らは車が雪にはまって立ち往生したらしい。キャットが妙な胸騒ぎを覚えた瞬間、男は銃を取り出した。強盗だ──彼らは雪がやむのを待って逃げるつもりだ。私たちを殺して。見つからないうちに別荘を抜け出したキャットは、犯人の車で倒れている一人の男を見つけた。クレイグ! 私の昔の恋人がなぜここにいるの? 抄録 「待てよ」スクーターが繰り返す。 「なんだよ?」クレイグはスクーターに尋ねた。まずいことに、声がうわずっている。 「肝心なことを忘れてる」スクーターが言った。突然にっと笑ったので、細い顔が急に太ったように見えた。「もうクリスマスだぜ!」声を張りあげる。「日付が変わったんだ。メリー・クリスマス!」 ほっとして口から漏れたため息が、外でまだ激しく吹き荒れている吹雪にも思えた。開いたドアから垣間見るかぎり、先ほどより勢いが弱くなってはいたが。 しかしスクーターは、すっかり舞いあがってほかには頭が回らないらしく、相変わらずにやにやしている。「さあみんな、たがいに祝おうじゃないか」 「そうだな。メリー・クリスマス」デヴィッドもやはりほっとしたらしく、ため息をつく。 「メリー・クリスマス、ブレンダ」フレイジャーが小柄な恋人にほほえみ、唇に軽くキスした。 「メリー・クリスマス、パパ」キャットが父に向かって言う。 それはそうさ。クレイグは心のなかでつぶやき、がっかりするのはおかしいと思いながらも落胆を抑えきれなかった。 「シーラ、愛してるよ」パディが笑いながら保安官補を抱き締めた。 「メリー・クリスマス、兄弟」スクーターがクレイグを睨《にら》みつけてから肩に腕を回す。 兄弟? クレイグは思う。ばかな。こんなやつとどこに血のつながりなんか。それでもいやな顔をするわけにはいかなかった。もちろん、これからどうなってしまうんだろうという恐怖心を表に出すことも許されない。 クインティンとスクーターが窃盗犯だということは最初から知っていた。ただ、何をどこまで盗むのか、そこまでは考えなかった。金目のものだけじゃない。正気、愛、クリスマスの静けさ。それに人の命まで。 彼は明るい表情を崩さないようにしながらスクーターから身を引き、まわりを見まわした。日付はすでにクリスマス・イブからクリスマス当日へと変わった。家族や友人に、愛情と、和解のしるしとしてのオリーブの枝を与える日。 スクーターに視線で促されて、キャットが兄を抱き締めた。それからパディを、ブレンダを、それにティムとシーラも。 それからクレイグの番が来た。 彼は努力した。必死に目で説明しようとした。いままでどうしても言えなかったことを。今夜けっしてここに来るつもりはなかった、君の家族を危ない目に遭わせる気など毛頭なかった、と。あのとき真実を話せなかったのは、真実があまりにも残酷だったからであり、たとえ打ち明けても、君には僕を愛せない、いや愛したくなくなる、と思ったからなんだ、と。 クレイグは彼女の顎に手を添えて顔を上げさせ、小声で言った。「メリー・クリスマス、キャット」それからさらに声をひそめる。「君の人生にたくさんのたくさんの幸せを」そうささやくと、唇にそっとキスをした。 キャットは体を引かなかった。 クレイグが顔を上げたとき、彼女はこちらをじっと見つめていた。昔と変わらぬ美しい瞳。アイルランド系ならではのエメラルドグリーン。名前に似つかわしい、シャム猫みたいな緑の瞳。 シーラが咳払《せきばら》いした。「ほんとにもうおいとましなきゃ。みなさん、いいクリスマスを。おやすみなさい」 *この続きは製品版でお楽しみください。 |